U-96製作は佳境に突入!吠える北大西洋の海と荒れる波を再現!【達人のプラモ術<Uボート>】

■ヘビージェルメディウムはどう使う?

スタイロフォームで海面のカタチを製作、完成しているU-96の船体をはめ込み固定。モデリンペーストを盛り付けて海面の表面処理をしたのち、ヘビージェルメディウムを海面全体に塗布。さらに固定した船体とベースに盛り付けて、不自然な隙間ができないようにメディウムのカタチを整えます。

▲今回使用しているのはターナー製U-35ヘビージェルメディウム。リキテックスやホルベインといった画材メーカーから同様の効果が得られるメディウムが発売されている

ヘビージェルメディウムは硬めのメディムなので、筆やペインティングナイフなどを使い、盛り上げたり、エッジを立てることもできるのが特徴です。硬化後は透明感のある白色で軟質樹脂状(分かりやすく言うと固まった木工用ボンドといった感じ)になるので、水の質感の再現に向いています。

波のエッジや、船体を覆う水の流れなども表現することができるんですね。硬化後は塗装も出来るしナイフで削るといった加工もできます。

▲海面ベースと船体の隙間は不自然な隙間が生じないようにヘビージェルメディウムを盛り付けていく。厚く盛り付けるので、メディウムは最低でも丸一日は乾燥の時間が必要だ

▲船体の喫水線の沿ってヘビージェルメディウムを筆を使い盛り付けていく。艦首と艦尾は大波が降りかかるイメージで。メディウムは粘度が高いので波の形を作りやすい。ある程度硬化したらペインティングナイフなどでエッジを立てることもできる

▲乾燥したヘビージェルメディウムは塗装しなくても、透明感はあるので白く泡立つ波のように見える

 

■嵐の海の色って何色?

海と言えば、思い浮かべる色は青ですよね。南太平洋なんかだと鮮やかなブルー、はたまた冬の日本海なんかは鉛色の海なんて言われたりもしますよね。

今回は嵐の北大西洋です。ジブラルタルです。なのでかなり暗い色調で海を塗装していきます。塗装と書きましたが、海の表現は塗装というよりも「描く」と思ってください。青系の色を何色か塗り重ねて深く暗い海の色を描いていきます。

特に決まった色があるわけではなく、今回はブルーを基調にネイビーブルー、ミディアムブルー、スモークグレーを塗装面でブレンディング(塗装面で色を混ぜながらグラデーションを描く、もともとは油彩画の技法)することで、複雑な表情を見せる海の色を再現してみました。

▲今回は北大西洋の海の深い色を表現するためにアクリル塗料の複数の青色を筆で塗り重ねていく。モデリングペースト

▲塗装面上で色をブレンディング(色を混ぜ合わせてグラデーションをつける)することで深みのある表現ができる。ベースに使用したモデリングペースト、ヘビージェルメディウムともに塗料との相性も良い

▲半分ほど青系の色を重ねて、濃淡のグラデーションをつけて塗りあげた海面。うねる波の雰囲気を再現。船体部分はジェルメディウムで打ち寄せる白波を再現しているので、あえ青色は塗装しない

 

【次ページ】白波はドライブラシ技法で再現

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