Uボートの艦橋に搭乗員を乗せて「吠える北大西洋のジオラマ」完成!【達人のプラモ術<Uボート>】

■吠える北大西洋を往くU-96のジオラマ完成!

今回製作した荒海の表現は、Uボートのみならずキットのスケールに応じて波のサイズを変えることで水上艦艇にも応用できるものです。艦船モデルは単体でというイメージがありますが、こうした海面ベースと組み合わせることで臨場感を楽しめるモデルにもなります。ぜひチャレンジしてみてください 。

【完成画像ギャラリー】

 

■色々あるUボートのパーソナルマーク

今回製作したU-96の艦橋に描かれているパーソナルマークの“笑うノコギリ鮫”は実在したもので、第9 Uボート戦隊のハインリヒ・ヴィーレンの乗艦だったU-96のパーソナル・マーキングが、のちに戦隊のマーキングとして採用されたものです。

この他にも有名なパーソナル・マーキングとしては、イギリス・スコットランドの軍港スカパ・フローに潜入してイギリスの戦艦ロイヤル・オークを撃沈したU-47に描かれていた“鼻息の荒い雄牛(スカパ・フローの雄牛)”、さらに連合軍の艦船を19万7460トン沈めたU-552(Uボートエース第3位)に描かれていた“踊る赤い悪魔”があります。

面白いところでは、マーキングではなく幸運のお守りと言われる馬の蹄鉄を艦橋に溶接していたU-99がいます。こうしたマーキングの違いでUボートを製作するのもまた一興かと思います。

▲今回製作したU-96の“笑うノコギリ鮫”のマーキングは第9 Uボート戦隊のマーキングで実在したもの

▲Uボートエースのひとりエーリッヒ・トップの乗艦U-552に描かれていた“踊る赤い悪魔”のマーキング

▲U-47に描かれていた“鼻息の荒い雄牛(スカパ・フローの雄牛)”の横に描かれた数字は沈めた艦船のトン数だ

 

■1/35スケールでUボートを楽しむ!

今回製作したUボートは1/144スケールで、排水量の少ない艦船とはいえ、キットの全長は約40センチになります。

大スケールのキットで今回のようなジオラマを作りたいとも思うのですが、1/72サイズでは約90センチにもなってしまうので、これをジオラマ化するとなると、常に収納スペースに悩まされているモデラー的にはなかなか厳しい。なにしろ製作中のキットの取り回しが超大変(経験あり)。

しかしこの11月に「大スケールサイズでUボート作りたいんだったら見栄えのする艦橋分部分のみを作ればいいじゃん!」的な発想で、ボーダーモデルから1/35スケールで「ドイツ海軍 Uボート ⅦC型(水上航行モデル)」が発売されました。

艦橋と前部甲板の砲を中心船体の前後をカット。喫水線から上の部分が再現されたキットです。リアルなディテールのレジン製のフィギュア6体セットも別売でリリースされており、臨場感のあるUボートジオラマを楽しめるキットとなっています。1/35スケールという事あって艦橋のパーソナルマークも見栄えが良いですし、いやコレは欲しいです!

ボーダーモデル
「1/35 ドイツ海軍 Uボート VIIC型(水上航行モデル)」(1万5070円)
2022年11月以降発売予定(ハセガワ扱い)

▲完全新金型で艦橋と武装およびインテリアを再現。付属の魚雷で積み込みシーンの再現も可能

 

>> [連載]達人のプラモ術

<製作・写真・文/長谷川迷人>

【関連記事】
◆特車二課の指揮車&レイバーキャリアが初のキット化!イングラム載せたくなるぞ!
◆舞台は1920年代!イタリアの双胴飛行艇を製作【達人のプラモ術<サボイア マルケッティ S.55>】
◆第60回静岡ホビーショーでプラモの達人が気になった最新プラモデル5選

トップページヘ

この記事のタイトルとURLをコピーする