■各社から出ていたジャガーEタイプのプラモデル
いや早いもので2022年も残すところ1カ月。前回は海の狼“Uボート”を製作しましたが、今回からは久々のカーモデルと相成りました。お題は『世界一美しいとスポーツカーと呼ばれたジャガーEタイプ』です。
名車ということもあり、これまで多くのメーカーがプラモデル化していますが、発売が70年代と古いものが多く、正直入手が難しい。英エアフィックスの1/32スケール(絶版)、新しいところではグンゼ産業(絶版)とフランスの模型メーカー・エレール(現在でも入手可)がキット化しています。さらに古くは、今はなきイマイ、あとバンダイの1/18スケールやブラコの1/8モデル等もありますが、こちらに至っては完全にコレクションアイテムです。
今回のキットは昨年ドイツ・レベルが発売したもので、完全新設計のニューモデルになります。
パーツを見る限りクーぺ、ロードスターともに1964年のマイナーチェンジ後をモデル化したようです。ボディはフロントフードが開閉可能で、搭載されていた3781cc直列6気筒DOHCエンジンもしっかりと再現。インテリア周りも細かく再現されていています。
ちなみにロードスターのボックスアートで描かれている男性は、どう見ても英国の俳優ショーン・ビーンなんだけれど、映画でジャガーEタイプに乗っていたのかな? まぁどうでもいいんですけどね。
■ジャガーEタイプとは
1961年にジュネーブのモーターショーで発表され、一躍世界の注目を集めたスポーツカーがジャガーEタイプです。流れるような美しいフォルムのボディに3.8リットルの直列6気筒エンジンを搭載、最高速度241km/hという動力性能を誇りました。Eタイプという名称は、当時レースで活躍していたジャガーCタイプやDタイプといったレーシングカーとの繋がりを強調するために採用したものだそうです。
それにしてもいま見ても本当に美しいデザインで、古さを感じさせません。1961年8月、当時のメディアはジャガーEタイプを「自動車界のブリジッド・バルドー(60年代を代表するフランスのセクシー女優。60代以上のオジサン感涙!)」と表現したそうで、フロントマスクそしてテール周りのセクシーなライン、センターロック式のワイヤーホイールの美しさときたら…いや分かります、ブリジッド・バルドーと表現したその記者の気持ち。
そんなジャガーEタイプですが、また同時代のフェラーリなどに比べて価格も低く抑えられていたこともあり、購入希望者が殺到して生産が追いつかなかったそうです。また本国イギリスだけではなくアメリカでも大ヒットのスポーツカーとなりました。
■まずはボディの製作から
さて、ジャガーEタイプの美しさに酔いしれていてもキットは完成しないので先に進めましょう。レベルらしいカラーのインスト(組み立て説明図)では、エンジンの製作から始めよと指示されていますが、何はさておきボディの製作と塗装を優先して進めていきます。
カーモデルの場合ボディ塗装がいちばんのキモとなります。そしてボディ塗装の際には充分な塗装乾燥時間(最低でも2日以上、できれば1週間)を取る必要があるんですね。
そこでまずボディを塗装してしまいます。それを乾燥させている間にエンジンや足回り、インテリアの製作を進めておけば、その後の工程で乾燥したボディとすぐに組み合わせられるので、製作中の乾燥待ちといった時間を減らし効率よく作業を進めることができるワケです。
■キャンディメタリック塗装
悩ましきはボディの塗装なんですが、クーペタイプのボックスアートでは赤、ロードスターではブリティッシュグリーンで描かかれています。実車を調べてみると、白やアイボリー、シルバー、ブラックなどなど魅力的なカラーが揃っているのですが、ブリティッシュグリーンが少ないのが意外でした。モータースポーツシーンで採用されていたナショナルカラーでは英国は、やや暗いグリーン(ブリティッシュグリーン)を採用していたこともあり、Eタイプでも多いんだろうと思い込んでました。
今回、ボデイカラーは当初、ブリティッシュグリーンでと考えていたんですが、せっかくのエロい…じやなくて流麗なジャガーEタイプのボディラインをより引きたてるカラーということで、メタリック塗装、キャンディグリーンで塗装することにしました。