■ネット決済やミニアプリ内での決済
スマホ決済は、対応するオンラインサイトでの支払い手段としても利用できます。
例えば、Amazon.co.jpでは「d払い」や「PayPay」などでの決済が可能ですし、ふるさと納税サイトの「さとふる」では「au PAY」や「PayPay」などが使えます。ほかには、アウトドアレジャーや体験レッスンなどの支払いでスマホ決済が使えることもありますね。当然、サービスによって利用できるスマホ決済があるかどうかは異なるので、対応状況についてはその都度把握する必要があります。
また、スマホ決済のアプリそのものに、提携している外部サービスの機能が備わっていることがあります。これを「ミニアプリ」と呼びます。例えば、スマホ決済アプリのメニューとして、出前や、タクシー配車などの機能が用意されているので、サービスを利用しつつ、そのスマホ決済を利用できるというわけです。
■個人間送金機能
スマホ決済のなかには、ユーザー同士で残高を送り合えるものがあります。これを「個人間送金」機能と呼びます。例えば、食事の際に現金がなく、少額の現金を立て替えてもらった場合に、スマホ決済の個人間送金を利用すれば、当日または後日に立て替えてもらったお金を渡すことができます。特に「LINE」で繋がっている間柄ならば、手軽に使えますね。基本的に手数料も掛かりません。相手にわざわざ銀行口座を伝えずに送金が行えることなどもメリットと言えるでしょう。
ちなみに、最近の関連したトピックとしては、22年10月に「ことら」という送金サービスの提供がスタートしました。同サービスは、銀行が提供しているもので、対応するアプリを使って、個人間で10万円以下の送金を行う際に送金手数料がかからないというメリットがあります。ただし、このサービスは専用のアプリが用意されているわけではなく、「J-Coin Pay」や「はまPay」「Bank Pay」など、あくまでも銀行系のスマホ決済アプリを使うときに、ことら送金が使えるという仕組みになっています。
ただし、これまでに紹介した携帯キャリア系の企業が提供する主要なスマホ決済サービスと比べると、機能が限られていたり、設定する手間があったりする事情もあり、メリットはさほど多くありません。例えば、普段使いの銀行口座が銀行系のスマホ決済アプリにしか対応していない――などの特殊な事情がなければ、無理に使おうとする必要はないでしょう。
■現金引き出し機能
うっかり財布を忘れてしまったような場面で、キャッシュカードも手元にないような状況では、スマホ決済の残高から現金を引き出せることは大きなメリットになります。手数料はかかるものの、スマホがあれば現金を引き出せるからです。ただし、1日に出金できる金額が制限されていることもあるので、その点はあらかじめ把握しておきましょう。
ちなみに、前述のスマホ決済の送金に関するデメリットを挙げるならば、受け取った残高を現金として引き出すのに手数料がかかるということがあります。例えば、PayPayの残高なら、PayPay銀行に出金するなら0円ですが、PayPay銀行以外の口座に出金すると100円かかります。また、LINE Payの残高を、セブン銀行ATMから引き出そうとすると220円の手数料がかかります。なので、なるべく残高のまま使った方がお得です。つまり、最初から現金での利用を想定している場合には、銀行口座への振込や、上述した「ことら送金」対応の銀行系のスマホ決済アプリを使った方が良いでしょう。
■割り勘機能
個人間送金の延長として、スマホ決済によっては割り勘機能が備わっていることも知っておきましょう。飲み会・食事会などで、参加者が同じスマホ決済を利用しているとわかっている場合には、こうした機能が便利です。
例えば、PayPayでは「わりかん」機能が備わっています。同機能では、幹事は一人当たりの支払い金額を設定したのち、PayPay IDや携帯番号などでユーザーを検索して、わりかんを設定できます。これで複数人に対して指定金額の送金を依頼できます。複数メンバーの支払い状況を把握しやすいのがメリットでしょう。
■資産運用(ポイント投資)
スマホ決済アプリの中には、溜まったポイントなどを使って投資(あるいは擬似的な投資)を行えるサービスが用意されていることがあります。純粋なスマホ決済の機能というよりは、ミニアプリに近い機能ですね。
少額取引が中心になるため、資産を大きく増やすことは難しいですが、現金を使わないため、低いリスクで挑戦できるのがメリットです。
例えば、au PAYの中には、「ポイント投資」というメニューが用意されており、Pontaポイントを使って投資が行えます。
なお、使用するサービスや運用状況によっては、「一時所得」が発生する場合もあります。挑戦する際には、所得の申告に関してどういった扱いになるのか、しっかりと条件を把握しておきましょう。
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ほかには、JR東日本が22年11月に二次元コードで通過できる自動改札機の正式導入を発表したことにも注目です。「QR乗車」と呼ばれるこのサービスは2024年度下期に東北エリアから導入される予定。「えきねっと」で予約・購入した乗車券類をQRチケットとして表示し、それを改札にかざすことで通過できるようになります。まだ少し先の話ではありますが、注視しておきたい話題です。
次回はキャンペーン情報をチェックする方法について、まとめていきます。
※本稿で紹介した手順などは、22年12月上旬時点のものです。アプリバージョンによっては詳細が異なることがあります。
<文/井上 晃>
井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter
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