■ボディの中研ぎ(磨き)
さて復刻生産されたジャガーEタイプのオーナーにはなれませんが、プラモデルならば貴方もEタイプのオーナー! ということでキットの製作を進めます。
前回はボディをラッカー系塗料で調色したキャンディメタリックグリーンをエアブラシを使って塗装しました。その後、ボディは乾燥ブースで3日ほど乾燥(常温ならば1週間)させています。しっかりと乾燥時間を取ることで、塗膜内の溶剤が抜けて塗膜が硬く強くなります(←これ大事)。
塗装は、サーフェイサーによる下地塗装→メタリックグリーン塗装→クリアーグリーン塗装と塗り重ねています。下地処理(サーフェイサー面の研磨処理)をしているので塗装面は一見すると平滑に仕上がっていますが、よく見ると部分的にゆず肌(塗膜がザラついている状態)となっていました。
作業行程的には、このあとクリアーでオーバーコート塗装することで、より光沢仕上げとするのですが、塗装面がざらザラついていては、クリアー塗装後も美しい光沢仕上げになりません。そこでざらついた塗装面を研磨して、より平滑に仕上げるにする作業(研ぎ出し)をおこないます。
■コンパウンドって何?
この段階での研磨作業は、クリアーによる仕上げ塗装をより平滑に仕上げるための中間研磨(中研ぎ)となるのですが、研ぎ出しは目の細かい研磨シート(2000~3000番)とコンパウンドを使います。
コンパウンドはペースト状の研磨剤で、要するに液体のヤスリだと思ってください。塗装面を研磨して表面のキズを消すことで、艶を出すことができます。 ただしコンパウンドは塗装面の凹凸を削って平滑にすることにより艶を出すため、ボディのエッジ部分など研磨の際に力が集中する部分は、塗膜を削りすぎて下地が出てしまう場合があるので注意が必要です。
またコンパウンドによっては艶を出すためにワックス成分が含まれているものがあり、研磨後に塗装する場合、そのままだと塗料を弾いてしまうことがあるので、一度ボディを水洗いしてワックス成分を洗い落とす必要があります。
■研ぎ出し(中研ぎ)のコツ
コンパウンドを使った研磨はポリッシングクロス(極細繊維の研磨用布)などを使用するのが一般的ですが、達人は指で使ってコンパウンド研磨を行っています。
クロスでももちろん良いのですが、指を使うことでボディの凹凸部分でも研磨する力加減を調節できるので、凸部分を削りすぎてしまうといったトラブルを減らせます。
ちなみに指紋は、3000番相当の研磨シートと同じだそうです、また指を使った研磨はやりすぎると指紋がすり減っちゃうので要注意です。
■コンパウンドを使い分ける
コンパウンドは用途に応じて多くのメーカーから発売されています。用途に応じて、目の粗さの違いによって粗目、細目、仕上げ用など種類も数多く発売されています。メーカーは変わっても、基本的には粗目→細め→仕上げ用の順番で使用するのが基本です。
今回はタミヤとMr.ホビー、ハセガワトライツールのコンパウンドを併用して、細め→極細→磨き上げ用(セラミックコンパウンド)の3種類を使用しています。
また「実車用のコンパウンドは使えますか?」と質問を受けることがあるのですが、粒子の粗さが違うのでプラモデルの研ぎ出しには使えません。