■もし余裕があればカードや非接触も準備
ただし、コード決済の使用に慣れてきたならクレジットカードやプリペイドカードなどの物理的なカードや、非接触決済用のバーチャルカードなどを合わせて活用すると幅が広がります。
コード決済が普及した昨今ではありますが、コード決済が使えるお店ばかりではないからです。現金以外には、物理的なクレジットカード、あるいはQUICPay・iDなどの非接触決済しか使えないといったレジも存在します。
選択したスマホ決済に関して、少なくとも2種類以上の決済手段を持っておくと、実用性が向上します。具体的には、物理カードでの支払い、非接触決済、コード決済のどれを使っても同じポイントに集約させるのが理想的でしょう。
例えば、筆者は複数のスマホ決済アプリを使える状態にしていますが、私生活用としてはau PAYをメインに据えています。
具体的には、アプリから<①コード決済>が利用できるほか、物理的な<②au PAYカード(Mastercard)/au PAYプリペイドカード>での決済、<③Apple Payに登録したau PAYカードによるQUICPayでの非接触決算>、<④au PAYカードを登録してのECサイト決済>など、4通りの使用方法がすべてau PAYに集約するようにしています。これで、還元されるポイントはすべてPontaポイントとして貯まる仕組みです。
このように、どんな場面の買い物でも共通のポイントが貯まるように整えることを基本方針としてみてはいかがでしょうか。
物理カードの発行手順や非接触決済での登録手順などは、どのサービスでもやや手間ですが、一度登録を済ませておけば使い勝手は大幅に向上します。時間があるタイミングで挑戦してみてもいいのではないかと思います。
■ポイントにこだわらない選択もアリ
一方、携帯電話会社に関連したスマホ決済サービスは、その携帯電話会社のユーザーしか使えないわけではありません。もし、使い勝手が気に入らない場合などには、無理に携帯電話会社と合わせなくても大丈夫です。
特に、ひとまずコード決済に挑戦してみたいという場合、地方の小規模店舗などでも導入率が高い「PayPay」を登録しておくことをお勧めします。無理に物理カードや非接触決済に手を出さなくて問題ありません。
ほかには、家族のお小遣い管理にスマホ決済を使いたいという場合には、送金の手配が容易な「LINE Pay」がお勧めです。使用頻度が高くなくても、アカウントでつながっている家族・友人間での送金用に、ひとまず登録しておくというスタンスでも良いと思います。
また、そもそもMVNOが提供する格安SIMなどを契約している場合には、携帯電話会社とスマホ決済サービスを合わせる選択はできません。そうした場合は最初から選択肢の自由度が高いので、より悩むかもしれません。そんな時は、まずは身近な人が利用しているサービスを使ってみましょう。わからないことがあったときに相談できることがメリットになります。
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もちろん、ポイント還元キャンペーンは魅力的ですが、それだけを目当てに複数のスマホ決済を使い分け続けるのは、かなり慣れた人向けの運用です。ポイント還元ばかりを目当てにした運用を続けると、「スマホ決済疲れ」を起こしかねません。
それよりも、本稿で述べたように「どうやったら無理なく、自分のライフスタイルの中に取り入れて、かつ便利に使えるのか」という部分に軸を据えつつ、合理的にサービスを比較検討をしてみることをお勧めします。
<文/井上 晃>
井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter
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