■量販店ではSIMフリーモデルが狙い目。実機に触れられるのもメリット
量販店ではキャリアが取り扱うスマホのほかに、メーカーが直接販売する「SIMフリーモデル」も販売されています。ちなみに、2021年10月以降に新たに発売されるスマホにはSIMロックをかけないことが義務付けられたので、現在キャリアが販売するスマホもSIMフリーです。しかし、多くのメーカーがキャリア向けではないオープンマーケット向けのモデルを「SIMフリーモデル」と呼ぶことが定着しているため、本稿でも「SIMフリーモデル」と表記します。
量販店で購入する場合は、SIMフリーモデルを軸に検討することをおすすめします。SIMフリーでしか購入できない機種があったり、キャリア向けモデルよりも若干安い傾向があったりするからです。購入を決める際は、その端末がamaho、povo、LINEMOに対応しているかどうかを店員に確認しましょう。
■ECサイト・ネットショップはお得な価格で買えることも…
SIMフリーモデルはAmazon.co.jpや楽天市場、量販店のオンラインショップなどでも購入できます。また、スマホを直接販売するサイトを設けるメーカーも増えています。
スマホの価格はオープン価格ではありますが、実際にはどこで買ってもほぼ同じです。しかしECサイトでの価格は、キャンペーンなどに施策によってかなり差が出ることもあります。また、メーカーの公式オンラインショップでは、独自の特典やサポートサービスを提供していることもあります。機種を決めたら、複数の店の価格やサービスを比較するのが賢明です。
■買ったスマホを使うには、自身での初期設定が必要
購入したスマホをどうすれば使えるかについては、ahamo、povo、LINEMOの申し込み時に案内されます。また、各社のサイトでも確認できます。
ざっくり説明しておくと、iPhoneの場合は各社のnanoSIMを装着すると、それだけで通話も通信もできるように設定されます。ただし、iPhoneに他社(MVNOを含む)のプロファイル(設定などの情報)がインストールされていると、新たに装着したnanoSIMが有効化されません。インストールしているプロファイルがある場合は、あらかじめ削除しておきましょう。
なお、筆者は最新のiPhone 14 Proで動作確認をしましたが、機種やiOSのバージョンによってはSIMの差し替えだけでは設定されず、各社が提供するプロファイルのインストールが必要になる場合があるようです。その場合は、各社のサイトを参照してインストールしましょう。
Androidの場合は、SIMを挿してからAPN(アクセスポイント名)を設定することで利用できるようになります。まずスマホにSIMを挿して、「設定」→「モバイルネットワーク」→「SIM」→「アクセスポイント名」などを選択してみましょう。ahamoは「sp-mode」、povoは「povo2.0」、LINEMOは「LINEMO」というアクセスポイント名があれば、それを選択すればOK。見当たらない場合は、「アクセスポイント名」の画面の右上の「+」をタップして、アクセスポイント名の情報を入力して保存し、それを選択する必要があります。
なお、ahamoとpovoは、それぞれ専用アプリをインストールしておくと便利に使えます。LINEMOは「LINE」で「LINEMO」の公式アカウントを友だちに追加することで、自分の利用情報を確認したりできるようになっています。
ahamo、povo、LINEMOの初期設定はそんなに難しくはありません。しかし、機種変更時には手順を忘れてしまいがちなので、あたらめて各社のサイトを参照して設定しましょう。いずれも新しいサービスなので、今後、設定の手順が変更される可能性もあります。また、各社がチャットでのサポートを提供しているので、「設定できない!」という場合はチャットで相談してみましょう。
最近、対応機種が増えているeSIMを使う場合は、スマホ内のeSIMに利用したい通信事業者の情報をインストールして有効化する必要があります。その後の設定の手順は、nanoSIMを使う場合と同じです。
eSIMは申し込んだその日に使い始められる便利なサービスで、nanoSIM+eSIMで2回線を使い分けたりもできます。しかし、初めて使う際に手順に迷って苦労している人も少なくない様子。機種変更の場合にも再発行してもらったりする手間が生じます。自信がない人は、まずは一般的なnanoSIMを使うことをおすすめします。
ahamo、povo、LINEMOを使い始めると、ほとんどのスマホが対応機種になります。初期設定もさほど難しくはありません。物価高で、なるべく出費を抑えたいご時世。毎月のスマホ料金を安くしたい人は、乗り換えを検討してみてはいかがでしょうか?
<取材・文/村元正剛(ゴーズ)>
村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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