精密再現されたエンジンをディテールアップパーツも使って製作!【達人のプラモ術<ジャガーEタイプ>】

■ストイックなインテリアの製作

エンジンが完成したら、シートやダッシュボードなど内装を組んでいきます。

キットは初期型の3.8リットルをモデル化しているので、薄く乗り心地が悪いと言われていたバケットシートに、同じく高級感がないと言われたアルミ製計器パネル、さらにセンターコンソールもない非常にシンプルなインテリアが再現されています。

そしてメーターパネルはデカールで再現。また右ハンドル仕様(イギリス車ですからね)と左ハンドル使用のどちらでも好みに合わせて組めるように、それぞれのダッシュボードードが用意されています。

内装はキットの指示に合わせて黒で塗装していますが、ストイックというか思いのほか地味になってしまったので、キャメルブラウンや赤で塗装すれば良かったかなと思っています。ハンドルはウッドステアリングなので、塗装でそれらしく仕上げています。

▲今回は右ハンドル仕様で製作。メーターパネルは付属のデカールを使用。ハンドルはウッドブラウンの上からクリアーオレンジを塗装するとウッドステアリングの雰囲気が出せる

▲いかにも乗り心地の悪そうなバケットシートは、つや消しブラックで塗装した後、モデリングワックスで磨いてレザーの質感を再現

▲よく言えばストイック、当時の実車ではあまり評判が良くなかった英国車らしいシンプルなインテリア(後に改善)。ドアの内張には懐かしのウインドレギュレーターハンドル(グルグル回して窓を開け閉めするアレ)が別パーツで再現されている

 

■ボディにさらなる光沢を!クリアー塗装

前回塗装後にコンパウンドで中研ぎをしたボディですが、キャンディ塗装が映えるように、さらにクリアー塗装を行います。

今回はガイアのEXクリアーを使用。塗装→乾燥→塗装と3回クリアーをエアブラシでテラテラになるように塗り重ねています。塗装後最低でも2日は乾燥させて仕上げの研ぎ出しを行います。

▲クリアーを3度塗り重ねたボディ。画像では分かりにくいがキャンディ塗装のメタリック感も良い感じになった。塗装をしっかりと乾燥させたのち、塗装面を研ぎ出して鏡面仕上げを目指す

 

■スポークホイールはスミ入れで立体感を強調

Eタイプと言えば、スポークホイールがこれ以上ないだろってくらい似合うスポーツカーです。キットはメッキパーツの一体成型で頑張ってそれらしく再現してくれていますが、そのままではちょっと辛いので、エナメルのスミ入れ塗料(ブラック)を使ってスポークホイールの奥行き感を出してみました。

エナメル塗料はメッキを侵すことがなく、乾燥後に綿棒で凸部分を簡単に拭き取れるので立体感のあるディテールを強調できます。

また本キット用にリアルなワイヤーホイールを再現できるディテールアップパーツも販売されているようです。

▲キットにはメッキパーツのワイヤースポークホイールが付属。立体的なディテールを頑張って再現しているが、やはりリアル感に欠けるのが辛いところ

▲タミヤのスミ入れ塗料(ブラック)をホイールの凹部分に流し込むことでワイヤーホイールのディテールを強調できる

▲左がスミ入れ塗料を流し込んだままの状態。右が乾燥後に綿棒で凸部分のスミ入れ塗料拭き取った状態。凹部分のみスミ入れ塗料が残るので立体感がアップする

 

■ジャガーEタイプが30万円で購入可能?!

英国が誇るスポーツカージャガーEタイプは1961年から1975年までの間に7万2500台が製造されていたんですね。

現在でも購入は可能ですが、最低でも1000万円~2000万円! まぁ年末ジャンボが当たれば…(以下略)。しかしイギリスのオークションでなんと!30万円のジャガーEタイプ(ロードスターモデル)が発売されているんじゃあないですか!

おおっ! それならば購入も夢じゃないと思ったワケですが、(ただし子供用)という但し書きが…。そう実は全長約2メートル、全幅80センチ、子供用のハーフサイズのレプリカなんです。

しかしながらトイカーと馬鹿にしちゃいけません、見た目の完成度のみならず、リアに45ccのエンジンを搭載しており最高時速は約24km、ディスクブレーキも装着されており制動性も十分という本格的なつくりとなっております。日本では公道走行はできないけれどディスプレイモデルとしてとしてちょっと欲しいかも。

▲トイカーだが革貼りのシートなど本格的な作りこみが超クール。ライトも点灯する

*  *  *

さて、第3回となる今回はここまで。年末ということもあって製作中のキットが山積みで、目が回るような忙しさではありますが、2022年のトリを飾る次回「達人のプラモ術」は、ジャガーEタイプの完成を目指します。乞うご期待!

>> [連載]達人のプラモ術

<製作・写真・文/長谷川迷人>

 

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