みんな大好き『サンダーバード』の「3号&発射基地」を最新キットで楽しむ!【達人のプラモ術<サンダーバード3号&発射基地>】

■キットの製作

いやマジでサンダーバード(以下TB)のプラモを語るには、1日じゃ足りない。プラモの歴史ここにあり!なのですが、何はともあれキットを製作していきましょう。

今回製作するのは2023年1月に発売されたばかりの「1/350 サンダーバード3号&発射基地」(6380円)です。1号でも、ダントツ人気の2号でもない、3号! 大気圏外救助活動を主な目的とする再使用型の宇宙往還機。通常はTB-5号への物資輸送および乗員交代を行う機体です。劇中で救救助活動を行ったエピソードは3話のみ。

劇中でもパパに「3号の出番はない」とかよく言われちゃってパイロットのゴードンはやさぐれちゃうし、主役を務めたともいえる第3話『ロケット“太陽号”を救え』では3号自体が危機に陥ってしまうという、悲運の主役メカ(のひとつ)なんですね。

聞けばTBメカのプラモデルの中で最も人気がないのが4号、次が3号だそうです。

そう言われてみれば、旧イマイのプラモだと5号(宇宙ステーション)のオマケ扱い(先端を外すと鉛筆立てになる…って主役メカなのに)だったし、キットにも恵まれていない不遇のTBメカです。

アオシマからはTB-1号発射基地とかTB-2号コンテナセットとか魅力的な最新キットも出ておりますが、1号は最近作ったばかりだし(オイ!)、2号は過去に何機作ったかわからないし超合金もあるし(オイ!×2)、色々考えて…ロケット大好きなので3号にしました。

キットはアオシマによる新金型!で、単体では2014年発売されていたものです。今回は新たに劇中で登場する地下格納ベイが追加され、リアルなジオラマを再現できるというものになっています。劇中では、地下から発進してドーナツ状のラウンドハウスから宇宙に飛び出していくんですよ。

▲完成イメージ。1/350スケールでTB-3号の格納庫がリアルに再現されている。3話で登場する電波発信車は3号に積まれているワケではないが、関連メカということで付属している

ちなみにTB-3号は設定だと全長87.43メートルもありTB-5号に次ぐサイズです。キットはそれを1/350(約25センチ)で再現しています。

いや~いいですね、デカい3号! 新キットなのでディテールもばっちり。発射ベイ内部は劇中のそれを正確に再現しており、製作では一部エッチングも使う本格的な仕様となっています。

▲TB-3号自体のパーツはこれだけ。色プラにはなっているがやはり塗装は必須。ストライプ関係がデカールになっているのがありがたい

▲こちらが格納庫のパーツ

▲格納庫の壁面部分は、印刷された壁面の台紙をスチレンボードに貼り込んで再現

▲細かい手すりやレールはエッチングパーツで再現されている

 

■パーツ数では3号自体がいちばん少ない(笑)

ジオラマベースと比べ、3号自体はパーツも少なく実にあっさり。サクサクと組めば基本塗装を含めて1日で出来ちゃいます。それでは面白くないので、今回はITC(サンダーバードの製作プロダクション)の特徴でもある、リアルなウエザリング(汚し塗装)を機体に施していきます。

▲機体の成形色がオレンジなので、パーツの光の透過を防ぐため内側に黒を塗装

▲機体色が悩ましいところ。成形色はオレンジ過ぎる気がするので、箱絵のプロップモデルを参考に調色した赤みの強いオレンジ色(自身の好み)で塗装している

▲ニンジンの色が近いという説もある

▲調色した赤で塗装後、プロップモデルを参考にトーンの異なる赤でパネル風に各部を塗り分けていく

▲胴体中央の放熱板?は18枚あるので1枚ずつ塗装。塗装指示だとブルーになっているが正しくはグレーだ

▲後端にイエローのデカールを貼り込んでいく

▲基本塗装が完了した各パーツ

▲3基のエンジンを装備した安定板を正確な位置に接着するためのガイドがありがたい

▲機体からエンジンに繋がるパーツの整流板?は別パーツ化されているのでシャープに仕上がる

▲組み上げた機体。このあとさらにデカールを貼り込んでいく

 

■TB-3号の完成

ここまでの製作時間は塗装を含めて10時間ちょっと。ここからさらにウエザリングを施していく。リアルな汚れの再現がサンダーバードメカの真骨頂だ。

 

【次ページ】プラモデル最初期に登場したサンダーバードキット

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