■いざ塗装! 今回はトリガータイプのエアブラシ使用
塗装はブルーエンジェルス専用色がラインナップされているMr.カラーの「328番(ブルーFS15050)」と「329番(イエローFS13538)」を使います(FSカラーとはアメリカのフェデラルスタンダード595で規定された指定色。政府調達物の色指定に使用されている) 。ブルーエンジェルスの機体色でもあるブルーは微妙な色調なので、Mr.カラーから専用色が発売されているのはありがたい限り。
塗装に際しては、通常使用しているダブルアクションのエアブラシではなく、単色で光沢塗装ということもあり、一気に塗料を吹き付ける作業に適しているトリガータイプのエアブラシ(クレオス「プロコンBOY PS275(口径0.3ミリ)」)を使用しています。
塗装はMr.カラー「328番」のブルーを塗料3:薄め液7で希釈して、塗装→乾燥→塗装で4回塗り重ねて仕上げています。飛行機模型の塗装というよりは光沢仕上げのカーモデルの塗装の感覚です。
■機体パーツも同時に塗装
同じ塗料を使っても、後から別塗装すると微妙に色が変わってしまうことがあるので、機体の塗装と同時にキャノピーや脚カバーといったパーツも同時に塗装しておきます。その際、機体と同じく下地にグレーサフを塗装、ブルー塗り重ねる回数も機体と同じく4回と同じ条件で仕上げるようにします。
■塗装面を研ぎ出し研磨
1/48スケールなので機体全長も30センチ近くあり、翼面積も大きいので、塗装もそれなりに大変。ちなみにMr.カラー「328番」のブルーは機体の塗装に1.5本使用しています。また大きいサイズなので、どうしても塗装面のホコリの付着や部分的なムラ(ざらつき)が生じてしまうので、塗装乾燥後(最低で24時間は必要)に2000番のスポンジヤスリとコンパウンドを使い塗装面のホコリを研ぎ出し、ざらついた部分を平滑に仕上げていきます。この後、デカールを貼り込んで、さらにクリアー塗装を施すことで塗装面の鏡面仕上げを目指します。
■次回はいよいよデカール貼り!
今回の作業はここまで。光沢塗装では、ともかくしっかりと乾燥させることが大事です。乾燥時間をしっかり取ることで完全に溶剤が抜けて塗膜が硬くなり、塗装面に傷をつけてしまう、コンパウンドを使った研ぎ出し作業で下地が出てきてしまう、といったトラブルを減らすことができます。
次回はいよいよデカールを機体に貼っていきます。デカール貼りは模型製作でいちばん楽しい作業ですね! お楽しみに!
■映画にもなったブルーエンジェルス
ブルーエンジェルスは高い人気を誇るアメリカ海軍の飛行展示チームということあって、1975年に映画化もされているんですね。映画『BLUE ANGELS THRESHOLD: THE BLUE ANGEL EXPERIENCE』日本でも公開(邦題:ブルーエンゼル)されたこともあって、当時高校生だった達人も映画館に観にいきました。
劇中で登場する機体はF-4JファントムⅡでしたが、当時部隊はA-4スカイホークに機種改変されておりパンフレットにもその点が記載されていました。
ビデオや大画面TVなんてない時代でしたから、劇場のスクリーンに映し出される大迫力のF-4ブルーエンジェルスのフライトに圧倒されたことを覚えています。
当然ながら帰りには、鼻息荒く模型店に直行、当時発売されていたRevell社の「1/72 USNAVYs BLUE ANGELSキット(4機セット)」を購入しました。しかし当時は模型製作のテクもなく、残念ながら完成させることができませんでした。今回のブルーエンジェルスの製作は48年目のリベンジといったところです。
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<製作・写真・文/長谷川迷人>
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