■デカール貼り(前編)
機体の基本塗装が完了したら、いよいよお楽しみのデカール貼りです。
ミルスペック製のデカールは、ブルーエンジェルスファントムのイエローで塗装されている部分をすべてデカールで再現できるようになっています。ただし先にも書いたように、翼端部分のみは、デカールではなく塗装で仕上げています。
プラモデルの製作では、デカールを貼っていくと一気に完成に近づいていくのでモチベーションがさらにアップするのですが、今回は正直苦労させられました。
デカールは発色も良くブルーの上に貼っても透けることがないのですが、フィルムがとても薄く破れやすいので、扱いに気を遣わされました。機体上面のイエローラインは大判のデカール2枚を左右合わせで貼り込んでいくのですが、台紙から機体にスライドさせた時点で4つに切れてしまい、修正に手間がかかりまくった次第です(泣)。
また、乾燥後もフィルムが脆く、簡単に欠けてしまうので、修正に苦労させられました。タッチアップ用の予備デカールが用意されているので修正では助かりましたが、さもありなんといった感じです。今にして思うと翼端部分を塗装に置き換えて正解でした。
またインテーク両側のBlue AngelsのロゴやUS.NAVYのロゴも、デカールを台紙から持ち上げると簡単に丸まってしまうので、台紙から機体側に慎重にスライドさせて貼り込む必要があります。こちらは予備がないので切れたらアウト!とヒヤヒヤものでした。
さらにエンブレムと機体番号などは、版ずれを防ぐためか一度白で印刷されたものを貼って、その上からイエローで印刷されたデカールを重ねることで発色するようになっており、これをズレないように貼るのにも神経を使わされました。
貼り込みにはリニューアルされたMr.マークセッターを使用しています、従来品に比べて乾燥後に糊の成分が白く残らないのが特徴で、かなりありがたかったです。
今回は、機体上面のみにデカールを貼り込んでいます。機体下面は大判のライン、さらにBlue Angelsのロゴが脚カバーにかかるため、その部分を事前にカットしておかなくてはいけない等、このデカールの扱いにくさを考えると、(予備もないし)貼り込み作業にじっくりと取り込むべきと判断したからです。
苦労はさせられたものの、単純な性格なので、イエローのラインとBlue Angelsのロゴマークは入った機体を前に速攻苦労を忘れて「いやぁやっぱりブルーエンジェルスのF-4は最高にカッコいいわ!」とモチベーションが大幅アップしています!
次回はデカール貼り(後編)とクリアーのオーバーコート塗装で、さらに機体をピカピカに仕上げていきます。お楽しみに!
■現在ブルーエンジェルスで使われているF/A-18E
今回製作しているのは70年代に使用されたF-4JファントムⅡですが、その後採用されたA-4スカイホークを経て、1986年のブルーエンジェルス設立40周年記念式典の際にマクドネル・ダグラスF/A-18 ホーネット(レガシーホーネット)に機種改変。そして2021年には、アメリカ海軍の第一線に配備されているF/A-18Eスーパーホーネットに変更されています。
ファントムと比べてひと回り大きい機体なので、アクロの演技も迫力満点。また部隊設立以来、初となる女性パイロットの採用などもあってF/A-18Eスーパーホーネット・ブルーエンジェルス仕様もぜひプラモデルで作ってみたいと思うのであります。
>> [連載]達人のプラモ術
<製作・写真・文/長谷川迷人>
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