■磨いて磨いて鏡面仕上げを目指す!
主翼下面のデカールのクリアー塗装が乾燥後、上面と同様にフィニッシングペーパーの2000番、コンパウンドの細目と仕上げ用を使って塗装面が平滑になるまで研ぎ出していきます。
下面は上面と比べて凹凸が多いので、研ぎ出しの際に凸部分の塗装を削りすぎて下地が露出いないように注意しながら作業を進めます。もし下地が出てしまったらタッチアップで修正します。
塗装面の磨きは、ティッシュなどを使うと紙の繊維が磨き傷をつけてしまうので、模型磨き専用のフィニッシングクロスを使います。今回はフィニッシャーズ製「キングス・クロス」を使用しました。
まず機体全体にコンパウンドを塗布。そのあと「キングス・クロス」を使い機体全体を磨き上げていきます。
胴体のUS-NAVYとBlueAngelsのロゴが歪みなく主翼上面に映り込むまで根気よく平滑に仕上げていきましょう。ファントムは今回のような光沢仕上げにすると光が映り込んで胴体が実にセクシーな曲線で構成されていることが良くわかります。
■主翼前縁は塗装からフィニッシュシートに変更
磨き上げたことで機体全体光沢は得られたのですが、主翼前縁に塗装していたシルバーにクリアーが浸透したことで、実機とは印象が異なるシルバーグレーな質感になってしまいました。メタリック色はラッカー系クリアーでオーバーコートした場合、どうしても金属感がスポイルされてしまうのです。またコンパウンド等の研磨剤を使うこともできません。
そこで前縁部分はシルバーによるリペイントではなく、インテークリップと同じくフィニッシュシート(チタンフィニッシュ)を張り込みました。これにより塗装に比べて、より金属感のある仕上がりになっています。
■エンジンノズルの塗装
機体の研ぎ出しと並行してエンジンノズルを塗装します。金属感を強調したいので下地は艶あり黒で塗装、その上から黒鉄色を重ねていきます。さらに実機の写真を参考にしながらアイリス板(エンジンノズル雨を覆うカバー)の後端にシルバーを塗装。ノズル全体に軽くダークスルバーでドライブラシをかけて仕上げています。
■キャノピーの研ぎ出し
マスキングして機体色とクリアーで塗装した4ピース構成のキャノピーもコンパウンドで磨き、塗装面との段差極力を減らしていきます。ただし機体のプラとは違いクリアーパーツはプラが硬く、研磨の際に不用意に力を入れると割れやすいので、作業は注意深く行います。
◼️機体の研ぎ出しと磨きが完了!
今回、機体下面のデカール貼り、クリアー塗装で2日。コンパウンドとクロスでの研ぎ出しと磨きも2日の計4日間の長作業となりました。デカールの乾燥、さらにクリアーのによるオーバーコート塗装をしっかりと乾燥させることが美しく均一な仕上がりを得るポイントです。焦りはトラブルの元になります!
さて次回は、フィニッシュに向けて機体の製作と細部仕上げを進めていきます
お楽しみに!
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<製作・写真・文/長谷川迷人>
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