■水平尾翼はF-4のチャームポイント
前回、塗装の仕上がりがイマイチだったためリペイントした水平尾翼。
F-4の水平尾翼(スタビレーター)は全浮動式を採用しており、運動性向上とピッチアップ(超音速飛行時に急激に機首上げになってしまう状態)防止のために23度の下半角と付け根側の無塗装が外観上の特徴になっています。
今回無塗装部分は外板の微妙な質感(パネル状に色が違う)の違いを塗装で再現してみました。下半角のついたスタビレーターを取り付けると、一気にファントムらしくなります。
■キャノピーは開状態でコクピットを見せる
残すはキャノピーの取り付けのみと、いよいよ完成が近づいてきたF-4ブルーですが、その前に改めて機体全体をモデリングワックスで磨き上げておきます。キャノピーは開状態で取り付けるのですが、接着面積が少なく取り付けてしまうと破損しやすいため、事前に機体を磨いておいてから取り付けることで破損を防ぎます。
またF-4のキャノピーはフレームとキャノピーの間にシール剤が塗られており、これが今回のようなブルー塗装だと目立ちます。そこでマスキングテープでシール剤を再現してみました。実のところ1/48スケールでは0.1ミリ以下の幅になるのですが、さすがにその幅では貼るのが厳しいので、ややオーバースケールではありますが0.3ミリ幅で再現しています。
またキャノピーを開状態としたのでキットに付属の乗降用ラダー(はしご)をイエローで塗装して、コクピットに装着してみました。イエローが映えて良いアクセントになります。
■光沢塗装はちょっと難しいけれど
今回の製作で最も大変だったは、機体全体の光沢でした。
飛行機モデルでは、つや消し塗装あるいは半ツヤ塗装が一般的なので、今回のように光沢塗装となると、なかなかに塗装のハードルが高くなります。
丁重な下地処理から、ブルーの塗装では専用色を複数回重ねて均一な光沢を出していくのですが、同じ光沢塗装のカーモデルに比べて機体が複雑な形状をしていくこともあり気を使います。さらにデカールの上からオーバーコートとしてクリアーを塗装し、そして研ぎ出し。これも手間がかかります。
綺麗に仕上げるコツとしては、それぞれの塗装の乾燥時間をしっかりと取ることです。塗料が完全に乾いていないうちの研ぎ出しや磨きの作業はトラブルの原因になってしまいます。
しかし、難易度は高いものの完成した際の満足感も高いですね。美しく輝く機体を見ているとそんな苦労も忘れてしまいます。皆さんもぜひチャレンジして見て下さい!
さて次回は何を作りましょうか? お楽しみに!
■作例ギャラリー
>> [連載]達人のプラモ術
<製作・写真・文/長谷川迷人>
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