「アジトのポルコ」早くも完成!そして愛機「サボイアS.21」の製作スタート!【達人のプラモ術<アジトのポルコ>】

■「アジトのポルコ」完成!

アニメのキャラなので、メリハリが効くように全体に色の明度を高めに調色しています。また塗装指定にはないが、ドライブラシで日よけ傘の汚れや靴底の汚れを表現してみました。

■筆はちょっと良いものを使いたい

模型での筆塗装の仕上がりは、使用する筆の良し悪しで決まると言っても過言ではありません。筆なんかどれでも同じだろうと言われることがありますが、安価な筆だと毛先が割れたり、塗装途中に毛が抜けたり、塗料の含みが悪かったりといった弊害が多く、質の悪い筆は塗装の際のストレスの原因にもなります(経験あり)。とは言うものの極端に高価な筆を選ぶ必要はありません。

一般的な筆塗りであれば模型用の500円~1000円前後の筆で充分です。今回主に使用している筆は「タミヤ モデリングブラシHGⅡ」の平筆と面相筆です。

▲「タミヤ モデリングブラシHGⅡ」(7種類 各660円) 価格も1000円以下と手ごろで、PBT樹脂毛の超極細毛を使用しており、塗料の含みが良く、穂先が柔らかく、それでいてコシがるので、粘度のあるアクリルガッシュの塗装にも適している。グリップエンドには転がり防止用のタブは何気に便利

 

■サボイアS.21Fの製作

ポルコ・ロッソ「アジトのポルコ」は完成。サクサクと組めて、模型用塗料はもちろん、アクリガッシュでお手軽に塗り上げる事ができる楽しいヴィネットジオラマです。しかし映画『紅の豚』を観た方ならご存知のとおり、主役のポルコの相棒と言いますか、もう一人…いやもう一機の主役といえば、そう! 真っ赤な「サボイアS.21F」飛行艇です! キットもあることだし完成したポルコのヴィネットと並べて飾りたくりますよね。

というわけで「1/48 サボイアS.21F」飛行艇も作りましょう!

▲ファインモールド「1/48 サボイアS.21F 後期型」(3080円)

キットは同じファィンモールドから発売されています。実のところ「アジトのポルコ」に併せるのならば、カーチスとの空戦で大破させられる前の「サボイアS.21」となるのですが、今回キットが入手できず…。改修後の「サボイアS.21F」となりました。エンジンを高性能なフィアットAS.21フォルゴーレに換装したので、エンジンカウルの形状が異なります。

「サボイアS.21」は架空の機体ですが、フィアットAS.21フォルゴーレは実在したエンジンです。このリアリティが『紅の豚』の魅力なんだと思います。「1/48 S.21F」には、ジーナとファオのギュアもついてますしね。

ちなみにキットのインストによると「サボイアS.21」から「サボイアS.21F」となったのは、模型化にあたり「機体の設計と改修をおこなったフィオの名前を入れたいね」という宮崎駿監督の意向で付けられたものだそうです(いい話だなぁ)。

 

■1/48スケールのS.21は内部構造も再現

キットは1/48スケールということもあり、全長20センチ程のサイズになります。そして内部構造がリアルに再現されており、S.21Fの木製艇体内部の構造が楽しめちゃいます。

大型の燃料タンクや木製フレームに囲まれたコックピット、そしてフィオを乗せるために一丁降ろした機関銃スペースもしっかり再現されています。

キットは、ヴィネットとはまた違う、飛行機プラモデルのスタンダードといったところですが、組みやすくビギナーにもオススメの飛行艇モデルです。ちなみに今回の「S.21F」の塗装は、アクリルガッシュではなく一般的なラッカー系塗料を使用しています。

▲S.21Fの製作は再現された艇体内部から進めていく。ここでのポイントは塗装による木の質感再現だ。作例ではダークイエローベースに調色、さらにエナメル塗料のフラットアースで木目風にウエザリングを施して木の質感を再現

▲別組み、塗装したコクピットを艇体に取り付ける

▲計器盤はデカールで再現されていてリアルな仕上がりを得られる

▲完成した艇体内部。銀色の円筒が燃料タンクだ

今回はここまで。次回は「サボイアS.21F」の機体の製作を進めます。お楽しみに!

原型制作: 香川雅彦 デジタル調整: 海洋堂造形部
(C) Studio Ghibli
企画/スタジオジブリ・ファインモールド
発売/ファインモールド

>> [連載]達人のプラモ術

<製作・写真・文/長谷川迷人>

 

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