■最初に発売されたときは電池で走るモデルだった
1970年代後半と言えば池沢さとし氏(現池沢早人師氏)が描いた「サーキットの狼」が大人気となり、日本はスーパーカーブームの真っ盛りでした。国内のプラモデルメーカーは、こぞってポルシェ、フェラーリ、ロータス、マセラッティといったスーパーカーをプラモデルを発売していました。
中でもポルシェの人気は高く、77年に発売されたタミヤ「1/20 ポルシェ935マルティーニ」も高い人気を集めたモデルで、当時はRE0260モーターと単三電池2本で走行させることができるモーターライズでした。
そんなわけでドライバーフィギュアが付属しているんですね(無人のクルマが走るのは不自然)。
キットは1999年の再販以降、長らく発売休止となっていましたが、24年ぶりの再販となる今回は、走行機能は省かれてディスプレイ専用モデルとなっています。
キットはモーターライズだったこともあり、エンジンなどは見える部分だけの再現となっていますが、実車のメカニカルな構造がよく再現されているのは、さすがタミヤといったところです。
近年ではGTマシン等のカーモデルと言えば1/24が主流ですが、1/20スケールとちょっと大きめサイズなのは新鮮でもあります。
■まずはボディの製作を優先
カーモデルの組み立て説明書(インスト)を見ると、大抵の場合、足回りの組み立て→インテリアの組み立て→ボディの製作→最終組み立てといった順番で製作を進めていくように指示されています。
しかしこの順番で組み立てていくと、ボディ製作時に塗装を行うことになるので、塗装を乾燥させている間は作業がストップしてしまいます。
そこで達人的には、インストの製作順にそって作業を進めるのではなく、まず初めにボディの製作と塗装を完了させてしまします。そしてボディの塗装を乾燥させている間に、改めてインストの初めに戻って、足回りの組み立て→インテリアの組み立てと進めることで、ボディ塗装の乾燥待ちという時間ロスをなくし、効率的に製作を進められるというワケです。
それに最初にボディの塗装が上手く決まると、モチベーションがぐっとアップする効果もありますよ。
【カーモデル製作の基本①】パーティングラインを処理する
プラモデルは、金型に溶けたプラスチックを流し込んで成形されている関係で、パーツには金型の合わせ目(パーティングライン)が必ず存在します。カーモデルのボディでは外周に凸線で入っています。
実車には存在しない凸線なので、パーティングラインは研磨して消さなくてはいけません。最近のキットだとパーティングラインは極力目立たないよう配慮がなされていることが多いのですが、今回はさすがに46年前のキットなのでかなり目立っています。
パーティングラインの研磨は、まずはフィニッシングペーパーの400番で段差を削った後、目の細かい研磨スポンジシートで研磨してボディの曲面をなだらかに仕上げていきます。