「塗装したボディの研ぎ出し」と「ウィンドウトリムの塗装」を解説【達人のプラモ術<ポルシェ935マルティーニ>】

■ボディの研ぎ出し

しっかり乾燥させたボディですが、右ドアとボンネット上に細かいゴミの付着、またルーフの塗装面の一部にゆず肌(ザラつき)が生じていました。こうした部分は塗装面の研ぎ出しで修正していきます。それにしても事前にしっかり注意したつもりでも、ホコリはどこからともなくやってくるんですよねぇ…。

塗装面に付着したホコリは研磨スポンジの1000番で研ぎ落していきます。幸い今回は塗装表面にホコリが付着しただけなので、簡単に研ぎ落すことができました。しかし塗料内にホコリを取り込んでしまっている場合は、簡単には取れないので、慎重に研ぎだしていく必要があります。

研磨作業でもし下地が出てしまった場合は、タッチアップ塗装が必要になります。ザラついた塗装面は1000番→1500番→2000番(※水研ぎ)で、表面を平滑に研ぎ出していきます。その後2000番→コンパウンド粗目→コンパウンド→細目→極細の順番でボディ全体を研ぎ出していきます。この際にボディ表面の凸部分は下地が出てしまいやすいので、保護用に小さく切ったマスキングテープを凸部分に貼っておくと良いでしょう。

またコンパウンドは、コンパウンド用クロスや研ぎ出しクロスを使いますが、達人の場合、細かな部分や凹凸のある部分は指先に直接コンパウンドをつけて研磨しています。パーツの形状に応じて、力加減をコントロールできるので、研ぎ過ぎで下地が出てしまうといったとトラブルを抑えることができます。

<ボディ乾燥後の塗装面check!>

▲ボディ乾燥後のチェックでホコリの付着とルーフの一部がざらついていることが発覚

▲ルーフの塗装面に生じたゆず肌を研磨スポンジの1000番(粗研ぎ)→1500番(中研ぎ)で研ぎだして平滑に整える

▲コンパウンドを使い塗装面を砥ぎ出し(仕上げ)ていく。使用しているのはタミヤコンパウンド粗目。クロスと併せて指を使って粗目→細目→極細の順番で磨き上げていく

▲研ぎ出しの後は、必ずボディを水洗いしてモールドに入り込んだ研磨カスやコンパウンドを洗い落しておくのを忘れずに。コンパウンドはワックス成分が含まれているものが多く、そのままにしておくと後の塗装で、塗料がはじかれるといったトラブルの原因になってしまう

▲ボディ全体をコンパウンド砥ぎ出ししていたら、リアのオーバーフェンダーのエッジ部分の下地が出てしまった(矢印の部分)。こうしたエッジ部分は力が集中してしまうので、研ぎ出しの際は注意が必要だ。幸いこの部分はデカールで隠れてしまうのでタッチアップはしていない

▲タミヤ「コンパウンド用クロス」(3枚セット1100円)。コンパウンドを使った研磨・ツヤ出し作業に最適の超極細繊維の磨き布。 起毛処理された超極細繊維クロスによりみがき傷ができにくい

※水研ぎ
塗面を平滑にするため研磨材(ここでは研磨スポンジ)に水をつけながら研磨すること。研磨カスで目詰まりしにくい、研ぎ味が長持ちするといったメリットがある。

 

■フロントスポイラーの塗装

ボディはフロントの大型スポイラー下側部分を赤で塗装する必要があります。フロントブレーキ冷却用エアダクトなど複雑な形状をしているので、マスキングがちょっと難しいのです。小さくカットしたマスキングテープをパッチワークよろしく貼り込んで、しっかりとマスキングしておきます。

塗装はタミヤ缶スプレーの「TS-86ピュアーレッド」を使いました。スポイラー部分は凹凸が多いので、一気に色を乗せるのではなく、シュッシュッとショートストロークで吹き付けることで、奥まった部分も均一に塗装できます。塗装後10分程度してからマスキングテープをはがしてそのあとしっかり乾燥させます。ピュアーレッドのはみ出しは、コンパウンドとタッチアップで修正します。

▲缶スプレー「TS-86ピュアーレッド」を使いスポイラーの下側部分を塗装。一気にドバッ吹きつけ過ぎないように、気を使いながら吹き付けるのがポイントだ

▲塗装はボディの白と同様にしっかり乾燥(1日)させる。ブレーキダクト部分のはみ出し(矢印部分)はコンパウンドと筆塗りタッチアップで修正する

 

【次ページ】エンジン製作後、ウィンドウトリムを塗装

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