■まずは砂吹き(粗吹き)
吹き付けは、ちょっと缶の距離を離して、まずボディ全体にクリアーを乗せる感じで吹きつけていきます(1~2回)。これを砂吹きとか粗吹きと言います。あえてザラっとした下地を作っておくことで、この後におこなう本塗装の塗料がしっかりと食いついて塗料がタレにくくなるワケです。
砂吹きを乾燥させたら、いよいよクリアー塗装の本番です、肩の力を抜いて参りましょう。クリアーは15センチくらいの距離でリズミカルに、塗装面が濡れてテカって見えるようにボディ全体に一気にクリアーを吹き付けていきます。素早く吹き付けることで塗装面の塗料の粒子が均一に馴染んで均一な塗装面となるんですね。吹き付け→乾燥(1時間程度)で3回塗り重ねていきます。
もしザラついているとしたら、吹き付けの距離を離しすぎている、あるいは、吹き付けの際に塗料の飛沫が塗装済みの塗装面にとんでしまっているのが原因です。
文字だとなかなかイメージしにくいですよね、以下の動画で私が缶スプレー塗装のコツを紹介していますのでそちらを見てもらうと、塗装の距離や缶を動かすスピードがイメージしやすいと思います。
■クリアー塗装は乾燥が大事!
クリアー塗装が完了したら、しっかりと乾燥させます。今回クリアーは砥ぎ出しを考量して厚塗りに仕上げているので、常温ならば最低でも3日(可能ならば1週間)は乾燥させる必要があります。作例は乾燥器(内部が40~45度になる)を使い24時間乾燥させています。
山善
「食器乾燥器」(9480円)
サイズ:幅41cm×奥行40.5×高さ34.5cm
以前はプラモデル専用の乾燥機(ドライブース)が発売されていましたが、現在は廃版となっており、モデラーに人気が高いのが家電メーカーの山善から発売されている食器乾燥器。サイズが手ごろなのと内部の温度があまり高くならないのでプラモデルの乾燥に最適と口コミで人気が出た乾燥器です。
■砥ぎ出しで光沢アップ!
クリアー塗装が完全に乾燥したら、そのままでも光沢はありますが、さらに光沢仕上げとするため、砥ぎ出し作業を行いましょう。
▼砥ぎ出しとは?
クリアー塗膜の上から研磨ペーパー(今回はスポンジ)とコンパウンドを使って、クリアー層の表面の微細な凹凸を削り塗膜を均一に仕上げること。同時にデカールの段差もなくなるのでボディ表面の光の反射が均一になってキレイな鏡面に仕上げられます。
今回は研磨スポンジを使い1000番→1500番→2000番の順番で水研ぎ、さらにコンパウンドの粗目→細目→極細→セラミックコンパウンドで砥ぎ出して仕上げています。