■キットはイタレリ製
イタリアの老舗の模型メーカーで、カーモデルのみならず幅広いジャンルでスケールモデルを製作販売しています。国内ではタミヤと提携していることもあって、模型店では必ず見ることのできる模型ブランドです。
今回製作するキットは、イタレリがリリースしている「1/4トン4WDオフロードトラック(WILLS JEEPMB 80th ANNIVERTSARY)」にサーフボードが追加されたホビコレ版キットです。
オリジナルのキットは、1941年の量産開始から80周年の節目にあたる2021年発売で、アメリカ陸軍仕様のウイリスMBを忠実に再現したものです。ラダーフレームにリーフスプリングを装備したシャーシに前後アクスルなど、四輪駆動のメカニズムを再現。直列4気筒のエンジンも精密再現されておりボンネットは開閉可能です。また幌を展開した状態のパーツも付属しているのも違った表情を楽しめてポイント高いです。スケールが1/24なので完成後のサイズは138ミリになります。
そして、ホビコレ版のキットでは、1/24スケールのサーフボードが付属しています。
さてなんで軍用車にサーフボードが?となるのですが、終戦後、駐留していた兵隊が休日にクルマにサーフボードを積んで、日本の海岸でサーフィンを楽しんでいたそうで、それが日本にサーフィンが広がるきっかけとなったという話なんですね。
キットは日本のサーフィン文化を運んで来たクルマが出来るというワケです。ミリタリーとサーフィンの意外な接点ではありますが、そう言えばF・コッポラ監督の映画『地獄の黙示録』(1980年日本公開)の劇中でもサーフィンやっているシーンがありましたねぇ(懐かしい)。
■Jeepの名称の由来
4×4の代名詞ともいえるジープの名称の由来ですが、諸説あって、当時から人気のあったコミック『ポパイ』に登場した、次元を行き来できるユー・ジン・ザ・ジープというキャラクターから取ったという説や、U.S.ARMY PRESSに連載されていたコミックに登場する兵士の愛犬の名前という説もあります。
■キット製作
先にも紹介したように、キットはエンジンをはじめ細部までウイリスMBの特徴的なラダーフレームやエンジンが精密再現されています。とは言うもののパーツ数は少な目で、ビギナーでも作りやすいキットと言えます。
製作はラダーフレーム→足回り→エンジン→外装といった具合で、実車を組んでいるイメージで進めていきます。
カーモデルではフレームやエンジンはそれぞれの製作パートで塗装を進めていく必要がありますが、今回はミリタリーモデルと同様に、組めるところ組んでから塗装する(ミリタリー仕様ではほとんどオリーブドラブで塗装されている)ので、フレーム、足回り、ボディは組み上げて下地塗装として、錆止め色となるオキサイトレッドサーフェイサーで塗装しています。
■ゴムタイヤは使わない
キットにはプラ製のタイヤに加えてゴム製のタイヤが付属していますが、これは使用しません「ゴム製のタイヤを使った方がリアルに仕上がるんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、ミリタリーモデルの場合、あまりメリットがありません。ゴムだと塗装ができません…。できなくはないですが、塗料が簡単に剥がれてしまうためオススメできません。ウエザリング塗装もしかりです。またプラ製タイヤの方がトレッドパターンはシャープに再現されているので塗装でリアルに仕上げることができます。
■塗装でオリジナル感を楽しむ
今回キットには、サーフボード(ちょっとオールドスタイルのロングボード)が付属しています。車体色はオリーブドラブではなくても良いと思います。ミリタリーテイストなオリーブドラブ塗装も魅力的ではあるのですが、シチュエーションでカラフルなカラーに塗るもアリですね、もちろん使い込んだクルマということで、ガッツリと錆や汚れを再現して…、あとできれば、フィギュアを組み合わせたいですね。いろいろ幅が広げられそうです。
ということで、今回はここまで!
どんなボディカラーなるのかは乞うご期待です!
>> [連載]達人のプラモ術
<製作・写真・文/長谷川迷人>
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