2023年最も話題の最新キット、タミヤ「F-35B ライトニングII」を製作!【達人のプラモ術<F-35B ライトニングII>】

■F-35B ライトニングIIってどんな戦闘機?

F-35はひとつの基本設計を基に、通常離着型のA型、そして短距離離陸・垂直型のB型は、さらに艦上機型のC型の3タイプが存在します。

アメリカ空軍の統合打撃戦闘機(JSF/ジョイント・ストライク・ファイター)計画に基づいて開発された、第5世代の単発単座ステルス多用途戦闘機です。

JSF計画とは、高騰する新型戦闘機の開発費を抑えるために、各軍の新型機の開発を一本化して、戦闘機・戦闘攻撃機・対地攻撃などマルチで使える機体を開発。アメリカを中心にイギリス、カナダ、及びそれらの同盟国で採用していこうという計画です。現在、日本の航空自衛隊を含め現在9ヵ国が参加しています。

そして今回モデル化されたF-35Bは、海兵隊で採用されていたハリアー IIの後継機として使用するため、STOVL(短距離離陸・垂直着陸)性能を持たされたタイプです。

▲STOVL機能を有しているので長い滑走路を使うことなく垂直着陸が可能だ

機体尾部のエンジンダクトノズルが90度折り曲がり、噴射面を地面に向けることが可能になっていて、さらにコクピット後部のハッチを開き、機体中央のリフトファンを作動させることで垂直方向への推力を発生させ、極めて短い距離での離陸が可能に。そしてこの機構を使うことで垂直着陸も可能となっています。

A型と同じく高いステルス性能と兵装を胴体内に収納できるウエポンベイを持ち、STOVL機としては世界初の超音速飛行(最高速度マッハ1.6)を可能としています。

航空自衛隊もA型に続いて、2019年8月にB型導入を決定しています。

 

■F-35Bのキットに見るタミヤの本気を徹底検証!

1/48スケールのタミヤ「F-35B ライトニングII」ですが、キットは駐機状態、短距離離陸状態、垂直着陸状態の3つの形態の中から1種類を選んで組み立てることができます。

特にエンジンダクトノズルを90度折り曲げ、胴体のリフトファンを展開しホバリングしながら機体を垂直に着陸させる垂直着陸状態は、エンジンダクトノズルをはじめ細部まで忠実にモデル化。全ての扉を開閉状態が選べるよう部品が分割され、実機通りに再現することが可能になっているところが、メカフェチには堪りません。カッコ良いです!

また今回、専用の展示スタンドが付属しているので、STOVLでのホバリング状態も再現できるのもポイントなんですが、脚柱は接地状態とホバリング中の無加重で伸びた状態のパーツも付属! このこだわりは見逃せません!

コクピットには再現度の高いGen III HMD(ヘルメット・マウント・ディスプレイ)を装備したパイロットフィギュア一体が付属。ヘルメットはHMDを通じて戦闘機外部に付けられたカメラの映像を映し出せるようになっていて、たとえば下を見下ろせば戦闘機の床の向こう側を、後ろを振り向けば戦闘機の後ろ見ることができるそう。ちなみに価格は40万ドル!

▲キットは駐機状態、短距離離陸状態、垂直着陸状態の3つの形態の中から1種類を選んで組み立てられる

▲胴体パーツの場合、通常のキットではパーツの中央部分からプラスチックを流し込んで成形するのだそうだが、それだと繊細なモールドで再現されている機体表面に流し込み口の跡がついてしまうため、F-35ではパーツ周囲から流しこむように成形しているのだそうだ

▲F-35B最大の特徴でもある偏向エンジンノズルは組み立てやすさも考えたパーツ分割を考慮されており、F-35Aに比べて短い形状のエンジンノズルもしっかり再現されている。細かく見ていくと、機体中央リフトファン下部の偏向ルーバーも飛行状態に応じて形状が異なる2種類が用意されている

▲脚柱は接地状態とホバリング中の無加重で伸びた状態のパーツを選択できる

▲前縁フラップやテールロンは短距離離陸/垂直着陸時に合わせて、ポジションを好みの位置で組むことができる

▲付属のスタンドは取り付け口に磁石がついており、使用しない際にはパーツで取り付け穴を隠せるように配慮されている

▲コクピットは細部のディテールに至るまでF-35Aとの違いを精密に再現されており Gen III HMDを装備したパイロットフィギュア一体が付属する

 

【次ページ】では、どの状態を作るか…

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