■機体をセミグロスクリアーでオーバーコート塗装
デカールの保護と機体塗装を整えるためのクリアーによるオーバーコート塗装は、フラットクリアー(つや消し)ではなく、やや光沢感のあるセミグロスクリアー(タミヤ「ラッカー塗料 LP-24」)で仕上げています。F-35のRAMコーティングは、見る角度や気象条件で色味や質感が変わって見えるモデラー泣かせの塗装なんですが、スケールモデル的にはセミグロスクリアー仕上げが良いでしょう。
■スタンドモデルなのでパイロットを乗せる
キットには大変出来の良いパイロットフィギュアが付属しています。特徴的なHMDS(ヘッドマウントディスプレイシステム)を組み込んだヘルメットは、材質のカーボンパターンと部隊マークがデカールで再現されているのがありがたい限りです。
機体はバーチカルランディング(垂直着陸)仕様のスタンドモデルで製作しているので、基本パイロットは乗せなくてはいけません。通常はパイロットを乗せるとコクピットのディテールが見えなくなるので乗せない派なんですが、F-35はフレームのない大型キャノピーを採用しているので、コクピット内部のディテールも良く見えて出来の良いフィギュアが引き立ちます。
■全部開けました、全部積みましたスペシャルモード!
さて、コクピットをはじめ、ウエポンなども仕上げたら、いよいよ最終組み立てです。機体はバーチカルランディング(垂直着陸)仕様、ビーストモードでのウエポンてんこ盛り、さらにウエポンベイ内部も全部見せますモードで製作を進めていたワケですが、なんと!ここまで来てウエポンベイの外扉は閉めると指定されていることが発覚。よくよくインストを見たら「垂直着陸時には爆弾は取り付けません」って53ページに書いてありました(驚)。
てことはビーストモードの翼下パイロンにレーザー誘導爆弾GBU-12ペイブウェイⅡも搭載できないってことなんですね。ここまで作ったのに、それはないよぉとボヤいても後の祭り、製作前にインストを斜め読みしかしないダメモデラーの末路であります。
ぶっちゃけビーストモードの駐機仕様で製作すれば、ウエポンベイが開いていても違和感はないのですが、それだと背中のリフトファンカバーや補助インテークカバーを閉じなくてはいけないし、エンジンノズルもフツーで面白くないんですね。
せっかく塗装したウエポンベイの超絶ディテールはどうしても見せたいし、ステルス性能を犠牲にしたビーストモードの翼下パイロンだってGBU-12ペイブウェイⅡ積まなきゃ意味がない。
というわけで作例は、扉は全部開けて、ウエポンも全部搭載しちゃいました。強いて言うならば、「短距離離陸モードだけどウエポンベイ全開で、でもエンジンノズル下を向いてます仕様」となりました!
実機の垂直着陸仕様で爆弾搭載はありえないのですが、スケールモデル的な見栄えを優先した、見どころ満載仕様です。
■垂直着陸が可能なら垂直離陸はできるのか?
ところでF-35Bは垂直着陸が可能なんだから、VTOL戦闘機の先輩ホーカーシドレー・ハリアーのように垂直離陸もできるんじゃないのかと考えますよね。そこんところ調べてみたらF-35Bは垂直離陸推力が約19トンあるのですが、燃料満載時の機体重量は約21トン、これに武装が約6.5トン加わるので、つまるところ燃料を満タンの無武装状態でもリフトシステムの推力以上の重量があるため、垂直離陸はできないんですね。燃料と武装も減らしてならば可能でしょうが、実際の作戦運用では基本垂直離陸は想定されていないようです