■3回観ました!
というワケで今回は、現在公開中の映画『ゴジラ-1.0(マイナスワン)』に登場する「九州J7W1 局地戦闘機 震電『ゴジラ-1.0』劇中登場仕様」を製作します。ゴジラと震電の関係を書くとネタバレになるので、詳しいことは劇場で確認していただきたい次第です。
ちなみに達人はIMAX、7.1ch上映、そして4DXスクリーンと計3回観ております(ゴジラ-1.0はいいぞぉ!)。
■九州J7W1 局地戦闘機 震電とは
飛行機好きでない限りはあまり馴染みのない機体ですが、日本爆撃で襲来するB-29爆撃機を迎撃するため、第二次世界大戦末期に1機のみ試作された局地戦闘機です。
エンテ翼と呼ばれた前翼型の機体は、空冷複列星型18気筒エンジンを後部に搭載した独特な形状を持っています。
搭載された空冷複列星型18気筒エンジンは高回転化・高ブースト圧化によって離昇出力2130馬力を発揮。最高速度は約740km/h以上。機首に30ミリ機関砲を4門搭載して、高高度を飛来するB-29迎撃する予定でした。
機体後部にエンジンを搭載したため、前輪式の降着装置を採用。特徴的な長い脚を持っています。しかし初飛行の際に機首上げでプロペラが地面に接触するトラブルが発生したため、垂直尾翼後端に急遽補助車輪を取り付けて対応しています。
1945年(昭和20年)6月に試作機が完成。同年8月に試験飛行をおこなった後、終戦となり、実戦参加は果たしていません。機体は戦後アメリカ軍に接収され、現在はバージニア州シャンティリーにあるウドバーハジー・センターに分解された状態で保管されています。
■震電のプラモデル
震電は1機のみ試作された試作機ですが、プラモデル的には古くから人気があり、ハセガワ以外でも、以前はタミヤから1/72(絶版)が、現在は造形村から1/32と1/48(どちらも発売中)がキット化されています。
そして今回、映画公開に合わせて、ハセガワから劇中仕様の1/48震電が発売されました。キット自体は40年ほど前に発売された古参キットですが、新規で描き下ろされたボックスアートと劇中仕様にするための改修ポイントが記されたインスト(組み立て説明書)、さらにデカールが付属しています。またハセガワの定番商品として1/72震電も発売されています(以前、1/106スケールでもキット化していいました。現在は絶版)。
ハセガワ
「九州 J7W1 局地戦闘機 震電『ゴジラ-1.0』劇中登場仕様」(3300円)
2023年12月27日発売
ハセガワ
「1/72 九州 J7W1 十八試 局地戦闘機 震電」(1320円)
発売中
ハセガワ
「1/48 九州 J7W1 十八試 局地戦闘機 震電」(1620円)
発売中
■劇中登場仕様での製作
今回製作の1/48震電のキットは、先にも書きましたが40年以上前に発売されたものです。古参のキットで、パネルラインも凸モールドと、今の目で見るといささか古さを感じさせられますが、機体のプロポーションも良く、コクピットのディテールも悪くありません。
ただしキット自体は通常版と同じなので、劇中仕様機として製作するには、自身でいくつか改修工作をしなくてはなりません。
キットのインストで指示されている改修点は2か所です。
※記事的に若干のネタバレを含みます。
劇中登場仕様のキットでは、組み立て説明書も刷新されており、改修ポイントが指示されています。
① 垂直尾翼の補助輪をカットする
劇中の震電は、員数外で生産されていた機体という設定なのでしょう。離陸時の機首上げでプロペラが地面に接触してしまったため、急遽垂直尾翼下端に取り付けられた“補助車輪”(練習機白菊の尾輪を転用)が装備されていません。キットは補助車輪が垂直尾翼と一体で成形されているので切り離します。
②右側2門の機関砲を削る。
劇中機は機首に爆弾を搭載するために装備された30ミリ機関4門のうち右側2門を取り外しています。ハセガワのキットは機関砲のカバーと右側機関砲の銃身が一体成型されているので、削り落とす必要があります。なせか左側の銃身は別パーツなんですけどね。