■個人的追加工作
これはある意味劇中機いちばんのポイントになるんですが、実機では装備されていなかった緊急脱出用の射出座席が取り付けられているんですね。
劇中のカットでは座席の背板部に赤い注意書きプレートを確認できるのですが、『Druckluft-Schleudersitz』とドイツ語が書かれています。意味は“圧縮空気式射出座席”の取り扱いに関してなので、ドイツから試験的に持ち込まれていた射出座席を取り付けた設定になっていることがわかります。実際、同時代のドイツ機では、ハインケルが試験的に戦闘機に射出座席を装備していましたが、それが震電に使われて…というのはリアリティがありますね。
■射出座席を自作
キットの座席はノーマルのままなので、劇中機にこだわるのならば射出座席を自作する必要があります。とはいうものの細かい設定資料はないので、それらしく工作出来ていればOKだと思います(飛行機モデルのお約束でキャノピーを閉じてしまうとコクピット内部がほとんど見えなくなってしまう)。
作例では座席後ろの防弾板を兼ねたヘッドレストをプラ板とプラ棒で、射出時のフットバーを真ちゅう線で自作。さらにドイツ式のシートベルトを追加しています。もともとキットのコクピットも出来が良いのでこれで十分かと思います。
■次回は機体の製作を進めます
というワケで今回はコクピットの製作で終了。次回は機体を組んでいきます。1/48サイズの震電は、完成後のサイズも全長196.5mm、全幅231mmとかなりコンパクト(前回製作のF-35Bがデカかったので)。
パーツ数も56点と少な目なので、ストレートに組むだけなら3日~4日で完成できると思います。ウィークエンドモデリングにもオススメです。
2024年も『達人のプラモ術』改めてよろしくお願い致します!
>> [連載]達人のプラモ術
<製作・写真・文/長谷川迷人>
【関連記事】
◆錆や汚れといったウェザリングが映える!使い込まれたジープを再現【達人のプラモ術<ジープ ウィリスMB>】
◆映画『Uボート』公開40周年記念キットの潜水艦「U-96」をリアル再現!【達人のプラモ術<Uボート>】
◆ジュラルミン&蛇行迷彩「飛燕I型丁」のメッキ仕様キットを製作!【達人のプラモ術<飛燕>】