■モデラーズナイフがあればOK
作業は、消えてしまった凸モールドに合わせてガイドテープを貼り、モデラーズナイフの刃でモールドを彫り描いていきます。えっ? それじゃあ凹モールドになってしまうんじゃないの? と思われるかもしれませんが、いやいやご心配なく、これで大丈夫なので焦らずに作業を進めましょう。
モデラーズナイフでパーツの表面を切り込むと、当然ながら凹線となるのですが、刃で切り込んだことにより、切り込んだ個所の左右のプラが僅かに盛り上がります。この部分を凸線として利用するわけです。0.1~0.3ミリ程度の凸線ならば問題なく再生可能です。
盛り上がる線の太さは切り込みを入れる際の力の入れ方で変わるので、事前にプラ板などで感覚を掴んでから本番に臨んだ方が良いでしょう。本来の凸モールドと線の太さが同じになるように力の入れ加減を調整するのがポイントです。
またフリーハンドだと切り込む際に線がずれやすいので(特に曲線部分)、必ずガイドテープを使用してください。万が一、線がずれてしまった場合は、高切削性の瞬間接着剤で埋め戻して研磨すれ、改めて切込みを入れられます。1/72、1/48スケールの凸モールドであれば、ほとんどこの方法で再生可能です。
■薄めた溶きパテで凸線を整える
モデラーズナイフで切り込むことで生じた凸線はそのままでもいいのですが、刃を切り込むと切り口の左右が盛り上がるプラの特性を利用しているので、再生した凸線の中央には切り込み線が凹ラインとして残っています。0.2ミリ以上あると再生した凸ラインが不自然に見える事もあるので、ひと手間加えましょう。
ビン入りサーフェイサー(溶きパテ)を溶剤で2倍程度希釈して、エアブラシで、再生した凸モールド部分に厚塗りにならないように軽く注意しながら塗布します。これにより、切り込んだ際に生じた凹線部分が溶きパテで埋まるので、中央部分にへこんで見える不自然さがなくなります。