論より証拠。最新のグラベルロードモデルに、街中とサイクリングロード、それに河原などのフラットな未舗装路で走らせてみました。
試乗したのはGTというブランドの「GRADE CARBON TIAGRA」というモデル。
GTは元々MTBを得意とするメーカーで、近年はロードバイクにも力を入れています。「GRADE」はそのGTが手がけるグラベルロードのシリーズで、アルミフレームの安価なモデルなら8万8000円から選べますが、今回乗ったのはカーボンフレームにシマノのティアグラ・コンポーネントを装備したグレードで価格は22万8000円。
まずは、サイクリングロードで乗ってみました。
重量は10.22kgとロードバイクとしては決して軽いほうではありませんし、タイヤも700×32Cというやや太めのサイズですが、走りは軽くてスピードの乗りは完全にロードバイクのそれ。
休日のサイクリングロードは、軽くて高そうなレース系のロードバイクで快走している人たちが結構いますが、そんな人たちとも遜色ないスピードで走れます。
川沿いのサイクリングロードだったので、そのまま河原に降りて、深い草に覆われた部分や砂利道なども走行。
驚くことに、そんな道なき道でも危なげなく走れてしまいます。というか、こういうところを走ったほうが楽しい。もちろん、舗装路と比べると速度は全然出ていませんが、のんびり走っているかぎりタイヤが弾かれたり、ハンドルをとられて怖い思いをすることはありませんでした。もちろん、MTBとは違うので無理は禁物ですが。
ブレーキは、レバーはワイヤー式ながらキャリパーは油圧式という方式を採用しているので、レバーの引きは軽く少ない力でブレーキングできます。
そして、街乗りも非常に快適。
タイヤが太めで、安定志向の車体なので、ちょっとした段差やマンホールの蓋などもまったく怖くありません。雨が続いていた時期だったので、路面は濡れていて所々に大きな水たまりも残っていたり、飛ばされた木の葉が吹き溜まっていたりしましたが、そんな場所も神経質になることなく走れます。
雨の後なので、着脱式のフェンダーを付けて走りましたが、そのスタイルもなかなか似合っています。
ポジションもアップライトで楽なので、「走るぞ!」と気負わなくても気楽に乗れるのもいい!
普段は通勤に使って、たまに遠出するというような使い方にはピッタリだと感じました。
■シクロクロス車との違いは!?
最後に「タイヤが太くて未舗装路も走れるロードなら、シクロクロスでもいいのでは?」と疑問を持つ人に答えておきましょう。
確かにシクロクロスでもいいと思います。特にレース志向でないモデルであれば。筆者も普段はシクロクロスモデルに乗っていますし。
ただ、シクロクロスで軽いレース志向のモデルになると、レースのレギュレーションの関係で履いているタイヤが33C以下だったり、短時間でダッシュを繰り返す競技の特性上、加速重視のクイックなモデルが多かったりします。
その点、グラベルロードはBB(ボトムブラケット)位置が低く安定志向の車体が多いので、軽いモデルを選びたいけど、ツーリングをするには安定性が欲しいという人には、グラベルロードのほうがいいのではないかと思います。
GT「GRADE CARBON TIAGRA」>> https://www.riteway-jp.com/bicycle/gt/2017/grade_carbon_tiagra/
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(文・写真/増谷茂樹)