■あると便利な塗装乾燥ブース
缶スプレーのみならず、塗装は乾燥時間が必要。カーモデルの光沢塗装となると最低でも1日以上の時間が必要となります。
そこであると便利なのが塗装乾燥ブースです。使用することで塗装の乾燥時間を大幅に短縮できます。ホビーメーカーから模型専用の乾燥ブースも出てはいるのですが、食器乾燥器でも代用できます。
達人が使用しているのはモデラーに人気が高いYAMAZENの食器乾燥機。価格もリーズナブルで内部の温度が40度前後までにしかならないのがポイント(高温になるタイプだとパーツが熱で変形してしまう)。プラモの塗装乾燥に最適ということで愛用しているモデラーも多いようです。
■「フィアット500」と映画
「フィアット500」といえば、年代的にオードリー・ヘップバーンの映画『ローマン休日』で登場するんですが、日本では劇場アニメ『ルパン三世 カリオストロの城』でルパンの愛車として登場したことでカーモデラーのみならずアニメファンにも人気があります。以前グンゼ産業からルパン仕様のキットも発売されていましたが、現在は残念ながら絶版になっています。
達人的には「フィアット500」と言ったらリュック・ベッソン監督の出世作映画『グラン・ブルー』(1988年公開)でジャン・レノが演じるエンゾの愛車という印象が強いですね。ベコベコでスクラップ寸前といった「フィアット500」(しかもトレーラー引っ張っている)なんだけれど、暑いと言ってフロントウインドゥを内側からぶん殴って倒して開けちゃうシーンと、ダイバーを救出した1万ドルの賞金で車体を赤く塗り直すシーンがあるんです。弟に新車を買おうよと言われたエンゾが「いいや、塗り替えだ」「え、25ドルしかかかんないじゃん」「じゃあ二度塗りしろ」となり、ボロボロのまま車体だけ白から赤に塗り直されたフィアットで乗りつけたホテルのボーイに「塗りたてだから扱いに注意しろよ」というシーンがすごく好きなんですよ。
オーナーには怒られてしまうかもしれないけれど、チンクエチェント(「フィアット500」の愛称。イタリア語で500の意味)はピカピカよりなんかボロボロの方が似合う気がするんですよね。
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というワケでタミヤ「1/24 フィアット500F」の製作第1回はここまで。缶スプレー塗装も、コツさえつかめばエアブラシより手軽にボディの光沢塗装を仕上げることができます。ぜひチャレンジして見て下さい。次回はエンジンや内装を製作していきます。乞うご期待!
>> [連載]達人のプラモ術
<製作・写真・文/長谷川迷人>
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