■エンゾ仕様・ボロボロボディの製作
劇中のカットを参考にしながら、ドアやボンネット、フェンダー周りのヘコミをモーターツールで削り込んでそれらしく再現。
ボディはグレーサーフェイサーで下地塗装したのち、先に製作中のフィアット500と同様にレーシングホワイトで塗装。劇中では左右のドアのみが、なぜかくすんだ赤色なので、イタリアンレッド7:レッドブラウン3で調色した赤で塗装しています。
ここから、さらにボロボロな雰囲気を再現するため、フラットクリアーでつや消しオーバーコート。乾燥後に上から、タミヤスミ入れ塗料グレーでボディ全体をウォッシング(※1)。さらにブラウンでフェンダー周り等のサビを表現してみました。
今回のようなカーモデルで、スミ入れ塗料によるウォッシングを上手く仕上げるコツは「スミ入れ塗料を攪拌せず上澄みだけを使い、毛質の柔らかい平筆で、汚れの方向を考えながらボディに伸ばしていく」といったところです。やり過ぎたと思ったらエナメル溶剤で拭き取ってやればOKです。
※ウォッシング 模型に、よりリアル感を持たせるためのウエザリング塗装テクニック。AFV模型でよく使われる。スミ入れ塗料(薄めたエナメル塗料)を模型全体に塗布、綿棒等で拭き取ることで、汚れや雨ダレ、サビといった質感を再現できる。下地の塗料はラッカー系塗料が前提となる。
■インテリアの製作
さて、本来のキットの製作ですが、今回は足回りとインテリアを組んでいきます。とはいっても実にシンプルでサクサクと進めることができます。
サスペンションは4輪独立懸架で、フロントが横置きリーフスプリングをアーム兼用としたシングルウィッシュボーン、リアがダイアゴナルスイングアクスルとコイルスプリングの組み合わせですが、シンプルでサクサクと組み上がります。
インテリアも同様で、初期型では2人乗りでしたが、ボディサイズをほとんど変えないまま後部にベンチシートを押し込んで4人乗りとなっています。当時イタリアで人気かつライバルだったスクーターとの差別化という視点からの4座席化だそうだけれど、どうみても窮屈で大人が乗るにはキビシイ気がします。
ハンドル周りもシンプルそのもの。メーターもスピードメーターのみ、ワイパー以外イグニッションスイッチ等はすべて機械式というところに古さを感じます。
ちなみに実車のボディは全鋼製モノコックですが、エンジンの騒音が屋根板のせいで車内にこもってしまうため、その対策として屋根をオープンにできるキャンバストップを標準装備にして騒音を車外に発散させ居住性を改善、ってその発想が凄いなぁ。
製作はインストの指示に沿って塗装組み立てを進めていけばOK。ボディカラーによって内装の色も変わります。今回はレーシングホワイト(アイボリー)のボディ色をチョイスしているので、インテリはベージュ色となります。
今回はここまで! 次回はお楽しみの大判デカール貼り、そしてボディのクリアー塗装が控えております。そしてもちろんエンゾ仕様と同時製作を進めていきますよ! 乞うご期待!
>> [連載]達人のプラモ術
<製作・写真・文/長谷川迷人>
【関連記事】
◆プラモの達人おすすめ!年末年始にチャレンジしたい難易度ちょい高めのプラモデル
◆24年ぶりに再版!タミヤ「1/20 ポルシェ935マルティーニ」でカーモデル製作のノウハウを紹介【達人のプラモ術<ポルシェ935マルティーニ>】
◆世界一美しいスポーツカーと呼ばれた「ジャガーEタイプ」を作る!【達人のプラモ術<ジャガーEタイプ>】
- 1
- 2