■デカール(スライドマーク)はスライドして貼る
デカールは、水転写シール、あるいはスライドマークとも呼ばれます。水に漬けることで台紙上の水溶性の糊が溶けて、薄いフィルムのマークとなります。
デカールの質にもよりますが、サイズが大きいものだと、台紙から剥がして持ち上げると丸まったり、糊の面同士が貼りついてしまう、といったトラブルに泣かされることも。こうしたトラブルを防ぐには、台紙のままデカールを貼る位置まで持っていき、台紙上からパーツの表面にデカールをスライドさせるようにします。
万が一デカールが丸まったり、糊の面がくっついてしまったら、慌てず騒がずピンセットなどで無理に広げようとせず、水の中に漬けておいてください。しばらくすると水中花よろしくデカールが開いてきます。そこで水の中から持ち上げてしまうと、また丸まってしまうので、水の中で台紙上に戻してやればリセットできます。
■マークフィットを使用してデカールを密着させる
デカールがボディにしっかりと密着せず、わずかでも浮いていると、シルバリング(デカールの透明フィルム部分が白く目立つ状態)を起こしたり、またデカールを貼った後に光沢を持たせるクリアー塗装の際に、塗料がデカールの裏面に回り込んでシワができたり、最悪溶けるといったトラブルの原因になります。
そこで今回は、タミヤがリリースしているデカール軟化剤「マークフィット」を使用して、デカールをボディにしっかりと密着させています。
デカール軟化剤は、Mr.ホビー(GSIクレオス)の「マークソフター」や「マークセッター」など各メーカーが発売していますが、今回はタミヤデカールと相性が良い(※1)「マークフィット(ハードタイプ)」を使用しました。
使用方法は難しいものではなく、デカールを貼る部位に「マークフィット」を塗布すればOK。デカールの位置を決めたら、綿棒でデカールを内部の気泡を押し出しながら水分を拭き取ることで、軟化したデカールがパーツの凹凸に馴染んでくれます。
(※1)軟化剤はデカールとの相性があり、成分が強いものだとデカールを溶かしてしまうことがある。使用に際しては事前にパッチテストをすることをオススメする。特に古いデカールへの使用は要注意
■デカールの番号は曲者!
ここで注意をひとつ。デカールの台紙には番号が印刷されています。フィルムに定着はされていないので、水に浸けるとバラバラになってしまうのですが、稀にデカールの表面に残ってしまうことがあります。そのまま乾燥してしまうと剥がすことは困難になるので、デカールを切り出す時点で除けておく、あるいは水に漬けたデカール台紙上から洗い落しておくことをオススメします。
■綿棒はこするのではなく押すのがポイント
デカールの位置決めが完了したら、綿棒を使いデカール内側に残った気泡や水分を追い出していきます。今回のようにマークフィット(デカール軟化剤)を使用している場合は、綿棒は擦るのではなく上から押し付けて気泡を追い出しつつ、デカールをパーツの凹凸に密着させていくようにします。この際に綿棒は必ず湿らしておいてください。乾いた綿棒だとデカールが貼り付いてしまい、破けるといったトラブルの原因になるので要注意です。