タイトな設計のエンジン周りは仮組み&調整必須!【達人のプラモ術<タダノ ラフテレーンクレーン>】

【達人のプラモ術】
ハセガワ
「1/35 タダノ ラフテレーンクレーンGR-130NL/N クレヴォ mini G4」
02/06

ハセガワ「1/35 タダノ ラフテレーンクレーン」、最新の建機モデルということもありますが、売れています。聞けばモデラーだけではなく、実車のドライバーやクレーンオペレーターの方が買っていくそうです。さて、製作第2回となる今回はエンジン周辺を製作、シャシーを完成させます!(全6回の2回目/1回目

長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTube
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などでもレビューを配信中。

 

■仮組み必須! エンジン周辺部の製作

今回は前回に引き続き、シャシーとエンジン部分を製作していきます。全28工程ある製作工程の工程8~10となります。キットはタダノのラフテレーンクレーンを徹底的に実車取材していることもあって、複雑なディテールのエンジンの周辺機器も細部までしっかりと再現されています。

パーツの精度も高く、4面合わせの箱組みパーツも内側にリブが入っており、ピタリと組み上がるのはさすがハセガワといったところです。

ただ惜しむらくは、インストの工程6から続く足回りやエンジン回りの機器パーツの取り付け位置が分かりにくい。またパーツの取り付け穴とピンがタイトすぎるため、塗装した場合、塗料の厚みでピンが上手く収まらなくなります。そのため、仮組みでパーツの取り付け位置確認とタボ穴を広げるといった調整が必須作業となります。

特に今回は車体色を黄色にしたため、下地色となる白、そこに黄色を3~4回程度塗装→セミグロスクリアーでのオーバーコートと塗装を重ねていることから、通常塗装に比べて塗膜が厚くなっているため、パーツを組みつける際のすり合わせ調整が欠かせません。

▲車体上面に取り付けが指定されているフロントメンバーは、取り付けのスリットがタイトすぎて塗装した状態だとパーツが上手く収まらなくなってしまう。そのためフロントメンバーの接着タボ(矢印の部分)を薄く削る必要がある

▲ラッタル(はしご)を取り付けるタンクは白帯が塗装指定されているが、パーツA10のナンバープレートと合わせて、白のフィニッシュシートをカットしたものを貼り込んでいる。塗装より手間がかからずキレイに仕上がる

▲パーツK14とK15で組むパーツ(矢印の部分)は、ディーゼルエンジンで欠かせないアドブルー(尿素水:排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)を窒素と水に分解する)のタンク

▲工程6で取り付けるアウトリガーの基部(パーツF3・F5・F6・F7・F8)や行程9で車体に取り付ける機器類は「マーキング及び塗装部を参照してください」となっているのだが、正直、塗装図を見てもよく分からないので、完成見本の画像等を参考にしながら仮り組みをして角度や位置を決めた方が良い

▲シャシーにエンジン機器の取り付けが完了

 

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