タイトな設計のエンジン周りは仮組み&調整必須!【達人のプラモ術<タダノ ラフテレーンクレーン>】

■塗装後のパーツの擦り合わせを忘れずに

次回製作するクレーンの旋回台パーツを黄色に塗装しているところですが、画像左側が2回塗装を重ねた状態、右側が3回塗り重ねた状態。2回の方はエッジ部分で下地の白が透けてムラになっているのが分かると思います。隠ぺい力の弱い黄色は、均一な仕上がり仕上げるために、どうしても塗膜が厚くなってしまうので、パーツの差し込む部位がタイトな場合、そのままだと入らなくなってしまうことがあります。そのため取り付け部位ピンやほぞ穴の塗膜を削っておく必要があります。

 

■テールランプ類の取り付け

ウインカーやブレーキランプ類はカーモデル同様にクリアパーツで成形されているので、塗装することでリアルに仕上がります。ただパーツが小さいので、ランナーの状態でクリアーレッドとクリアーオレンジの塗装を済ませた方が楽です。

作例はレンズ部分の光沢感を強調するため塗装後に光硬化のクリアレジンでコートしています。

▲テールランプのレンズはクリアパーツで再現されているが、切り離してしまうと塗装しづらいので、ランナーから切り離さずに塗装する

▲テールランプのベースパーツに塗装したクリアパーツを接着。接剤にはクリアボンドを使用する

▲接着剤が硬化した後、パーツの表面をクリアレジンでパーツ表面をコートして光沢を強調している

 

■エンジンカバーの放熱スリットはスミ入れで奥行きを表現

エンジンカバーには放熱用のスリットがシャープにモールドされています。そのままでも違和感はないのですが、今回はスミ入れ塗料を使い奥行きを強調しています。またフロントのウインチのリール部分とタイヤホイールもスミ入れで陰影をつけてパーツのディテールを強調しています。

▲タミヤ スミ入れ塗料のブラックを使い放熱用スリットのディテールを強調

▲スミ入れ塗料は軽く攪拌して色が薄い上澄みを塗布、はみ出した塗料を綿棒で拭き取ることでキレイに仕上がる

▲フロントメンバーに取り付けたウインチのリール部分もスミ入れでディテールを強調した

▲車体色と同じイエローで塗装しホイールはボルトとホイールキャップに軽くスミ入れすることで雰囲気がアップ

 

■シャシー及びエンジン周りの完成

組み上げたシャシーにタイヤを取り付けたら車体の完成です。

私見ですが、普通のカーモデルとは一味も二味も違うと言いますか、どちらかと言えばミリタリーモデルに近い感覚です。メカメカしいディテールは組んでいて面白いキットだと思います。正直これまで建機のプラモデルは組んだことが無かったのですが、食わず嫌いはいけませんね。ちょっとハマりそうです。

▲完成した車体下回りとエンジン機器。塗装は全体をセミグロスクリアーでオーバーコート、半ツヤに仕上げている。

 

■建機が面白い!キット化熱望!トンネルボーリングマシン

建機は特定の作業に特化した機器ということもあり、スケールモデルとしても面白いと思います。前回紹介したドイツレベル社がキット化している『バケットホイール エクスカベーター289露天堀り掘削機』なんてのは、建機というより地球防衛軍の秘密メカみたいでカッコ良いし、ハセガワにはトンネル堀りに使われているボーリングマシンとかぜひキット化して欲しいところです。

現在プラモデル的には種類も限られている建機ですが、ミニカーの世界ではとても充実しているのに驚かされました。トンネルボーリングマシンも出ているんですよ、マニアックというかなんというか、でも欲しい!

というわけで今回のタダノラフテレーンクレーン製作はここまで、次回はキャビンの製作と、いよいよクレーンの製作をスタートします。お楽しみに!

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>> [連載]達人のプラモ術

<製作・写真・文/長谷川迷人>

 

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