今さら聞けない炭の火起こし方法と消し方。バーベキューで役立つ簡単なやり方と後片付けのコツ

■着火剤に火がついているうちは絶対にあおがない

▲着火剤に火を付けたらあとは待つだけ。最初からたくさんの炭を熾したい場合も同様

点火後は、着火剤の火が落ち着くまで放置が◎。キャンプ場スタッフ時に炭火を熾して回っていましたが、「炭火が付かない!」という人に手順を聞くと、この時点でウチワなどで扇いでしまっていました。

この時点で大事なことは、炭に火を当て続けて熱量を高めることです。扇いで風を送ってしまうと、火が炭に当たらないし、せっかくの熱が風で散ってしまいます。着火剤に火がついている間は、扇ぎたくなる気持ちをぐっと堪えて待ちましょう。

▲着火に成功したら、炭の内側が白くなり、赤い炎が揺らめく

扇ぐのなら、着火剤の火が落ち着いて炭の表面が白くなった時。火がしっかり当たっていた炭は、表面が白くなり、赤い小さな火が揺らいでいるはずです。このときにしっかり扇いであげると、熱量が一気に上昇し時短に。素早く火を付けたいならこのタイミングで。真上から炭に空気を叩きつけるイメージで力強くのがコツです。斜めからふんわり扇ぐよりも一気に熾(おこ)せます。

■炭が全体的に白くなってきたときが広げるサイン

炭の表面が全体的に白っぽくなったら炭を広げます。完全に真っ白になる必要はありませんが、炭ひとつひとつが白っぽくなるまではまとめておきましょう。

▲炭の白くなった部分同士を重ねるようにして広げるのがポイント。ここで失敗してしまう人が多い

広げる際は、ある程度炭同士をくっつけた状態で。熾した直後の炭は表面だけに火が入っている状態です。単独で置いておくと熱量が足りず消えてしまいます。なので、広げる場合は白っぽくなった炭同士をしっかり重ねるようにしておきましょう。あとは炭を足して放置するだけでOK。なるべく小さめの炭から足していくといいですね。

▲なくてもいいけどあったら便利なチャコールスターター

ちなみに、炭火を付けるのに便利なアイテムもあります。その名も“チャコールスターター”。使い方は簡単で、チャコールスターターの中に炭を無造作に入れて、火を付けた着火剤の上に置くだけ。あとは煙突効果で一気に熱が上方に上がっていくので、ほんのちょっと待っているだけで炭全体が真っ白に。

年に数回はBBQを楽しむ、キャンプで炭火調理する機会が多い、という方は要チェック。今回はユニフレームの「チャコスタⅡ」(4950円)を使用しましたが、ホームセンターでも売っています。

■炭火の片付けのコツは広げる&火消し壺

BBQ後の炭の後始末のコツは「広げる」こと。

▲火事の原因になるため、捨てる際には必ず消火を。消えているようで火が付いている場合も多いので注意

キャンプ場やBBQ場には灰捨て場が設置されていることも多いですが、火がついた状態で捨てるのはご法度。完全に燃やしきってしまうのが一番ですが、どうしても燃やしきれない場合は早めに炭を広げておき、消火でき次第捨てるのが理想です。

また、焚き火台やBBQグリルに載せたまま水をかけるのは避けたほうが◎。熱々の炭に水をかけてしまうと、水蒸気や跳ねた水で火傷する危険性も。さらには、焚き火台やBBQグリルが歪んでしまったり、サビの原因にもなります。

▲なくてもいいけどあったら便利な火消し壺。使い始めたら便利で仕方ない。焚き火の後片付けにも使えるのでキャンパーなら持っていて損はない

どうしてもすぐに消火したい!というのであれば、「火消し壷」を利用しましょう。金属製の器に炭を入れて蓋をすると、空気が遮断されて消化できるアイテムです。形が残っている炭であれば、この方法で消化すると再利用できるメリットもあります。アウトドアブランド以外にも、ホームセンターでも売っています。

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つい扇いでしまいがちですが、ぐっと堪えて待つだけ失敗なしに炭に火を付けられます。もし着火剤が燃えきっても火がつかない場合は、改めて炭を組み直して多めに着火剤を使ってトライしてみてください。そのまま着火剤を継ぎ足すと火傷の危険もあるので、一度バラして完全に火が消えていることを確認するのもお忘れなく。

難しそうな印象もある炭火熾しですが、案外簡単なんです。スマートに着火できればBBQの盛り上がりも違ってくるかも。ぜひお試しを。

<取材・文/山口健壱(&GP) 写真/逢坂聡>

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