メリハリを付けるシェード塗装後にいよいよ機体を塗装!【達人のプラモ術<マッキ MC.202フォルゴーレ>】

■パテとサーフェイサーの違いって何?

プラモ製作で欠かせないサーフェイサーとラッカーパテですが、何が違うのか。

ラッカーパテは傷を埋めて修正したり、今回のような隙間の修正などに適したアイテムで、溶剤で希釈すればエアブラシで塗布することもできますが、基本的に表面は滑らかに仕上がりません。また厚塗りすると、乾燥後パテに含まれる溶剤が揮発するためどうしても肉痩せが生じます。

一方のサーフェイサーは、缶スプレータイプが主流で、基本的はパテと成分が同じですが、塗布後に表面を研磨することで、きめ細かい滑らかな塗装下地を得られます。反面、厚塗りには向きません。

今回隙間を埋めるのに使用しているビン入りの溶きパテは、筆塗り用のサーフェイサーとなります。

▲タミヤ「サーフェイサー(40mlビン入り)」(374円) 筆で塗るのに適した液状のラッカーパテ。凸凹や気泡、キズなど比較的小さな箇所を修正するのに最適。ラッカー溶剤で薄めれば、エアブラシで塗装もできる

▲「タミヤパテ(ベーシックタイプ)」(330円) 部品の隙間やくぼみの補修、穴埋めなどに使用するパテ。硬化後の肉ヤセが少なく、乾燥時間はパテの厚みが1mm以下なら約1時間。硬化前ならラッカー溶剤で薄めることもできる

▲タミヤ「ファインサーフェイサーL(ライトグレイ)」(880円) 塗装の下塗り用や下地仕上げ用として使用する。きめ細かい滑らかな仕上がりを得られる。ライトグレイは細かな傷などが見つけやすく、上塗り塗料の発色も良くなる。ライトグレイの他、グレー、ホワイト、ピンクがラインナップ

 

■エッチングパーツの貼り付け

本機の特徴として、主翼と胴体の合わせ目や補助翼、フラップ、さらには水平尾翼、垂直尾翼などの動翼のヒンジ部分に補強板が取り付けてあります。

他国の戦闘機ではあまり見られないので、イタリア機ならではといったところですが、機体外板の強度に不安があるんだろうか? などと考えてしまいますね。

キットではこの補強板がエッチングパーツで再現されおり、機体外板より一段高くなるので、モールドに比べて立体感を得られます。サイズが小さく枚数が多いのですが、瞬間接着剤で丁寧に貼りつけていきます。

▲キットに付属する真ちゅう製エッチングパーツ。補強板は小さいのでエッチングハサミではなくデザインナイフでゲートを切り離した方が良い

▲主翼と胴体を繋ぐフェアリング部分、補助翼のヒンジ部分にエッチング製の補強板を貼っていく。機銃の銃身基部もエッチングの補強板で再現されている

▲主翼下面は胴体との接合部分に大きめの補強板が取り付けられている

 

■機体をサーフェイサーで下地塗装

エッチングパーツの取り付けなどが完了したら、エンジンやコクピット、脚収納部を丁重にマスキングし、缶入りサーフェイサー(ライトグレー)で下地塗装を行います。

ファインサーフェイサーはエッチングパーツの下地にも有効で、塗装のハゲを防ぐ効果があります。厚塗りにならないように注意しながら、薄く機体全体、同時にエンジンカバーなども塗布しておきます。

乾燥後に胴体の合わせ目、パテで修正した主翼と胴体のつなぎ目などチェック。問題があればこの時点で修正しておきます。

▲サフ吹きによる下地塗装が完了した機体

 

■パネルラインへのシェード塗装を入れる

サフ塗装の表面を2000番のスポンジヤスリで軽く磨いた後、機体全面のパネルラインにセミグロスブラックで影色となるシェード塗装を入れていきます。

キットは、パネルラインはやや太めの凹ライン(イタレリスタンダード)で再現、リベットは主翼の一部等にしか再現されておらず、1/32スケールとしてはかなりあっさりとした印象があります。エンジンやコクピットが割と濃い味付けなので、機体のパネルラインが薄味なのがちょっと残念ではあります。

機体にリベットを追加もアリなんですが、今回は塗装で機体のメリハリを付けることにしました。なので塗装に表情をつけるシェード塗装は欠かせません。

▲機体のパネルラインは太めの凹モールドで再現

▲リベットは一部のみ凹で再現されている。スケールを考えるともう少しメリハリを着けて欲しかった

▲キットは機体のリベットが一部のみしか再現されていないため、全体にのっぺりとした印象が強い

▲今回は塗装で機体のメリハリを出していこうと考えているのでシェード塗装はしっかりと入れている

 

【次ページ】シェードの黒ラインを微妙に残すように塗装していく

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