フォルゴーレのスモークリング迷彩をデカールで再現!【達人のプラモ術<マッキ MC.202フォルゴーレ>】

■丸まってしまったデカールのリカバリー

先にも書きましたが、デカールが丸まってしまった、あるいはフチが折れ曲がってしまった場合、ピンセットでひき剥がそうとすると、高確率で破けてしまいます。国内メーカーの発売中のプラモデルであれば、最悪アフターサービスでスペアデカールを取り寄せ(有償)てリカバリーという手もありますが、輸入キットの場合、ほとんどは対応していません。イタレリに直接注文という手もなくはないですが、可能なのかは不明ですし、時間かかるのであまり現実的とは言えません。

そんなワケで今回は丸まったデカールをリカバリーします。

丸まってしまったデカールを、水を貼った容器に漬け込んでおきます。しばらく(約1~3分)すると水中でデカールがほぐれて、元の状態に戻ります。5分以上たってもほぐれない場合、ピンセットで慎重にデカールを広げます。

大抵の場合これで解決できますが、おぉ!ラッキー!と慌てて水からデカールを引き上げると、再びクルリと丸まって振り出しに戻ってしまうので気を付けましょう。

ここは慌てず使用済みのデカールの台紙を水に入れ、その台紙の上に広がったデカールを慎重に乗せて水から台紙ごと引きあげます。この時点デカールの糊成分は水に溶け出してしまっているので、再貼り込みの際にデカール糊やマークセッターで糊成分を補完します。

▲丸まって折れ曲がってしまったデカールは水(ぬるま湯だとなお効果的)に1~3分程度漬けておくことで広がって元に戻る

▲広がったデカールをそのまま引き上げるのはNG。再度丸まってしまうのを防ぐため、必ず水の中で使用済みの台紙の上に引き上げる

 

■国籍マーク等を貼ってデカール貼りを完結させる

丸3日かけてスモークリング迷彩を苦労して貼り込んだのち、1日乾燥させ、国籍マークや部隊マーク、コーションマーク等のデカールを迷彩パターンの上から貼っていきます。

こちらはフィルムが違うのか、扱いやすく色透けもなくサクサク貼れます。

機体のマーキングが全て入ると、いやカッコいいですフォルゴーレ。ドイツ機とも英国機ともまたひと味違う個性的なマーキングがいい味出してます。

▲機体のスモークリング迷彩の上から部隊マーク、国籍マークやコーションマーク(注意書き)のデカールを貼っていく

▲主翼上下面に入るイタリア空軍の国籍マーク

▲エンジンカバー類を仮止めして、デカールを貼った状態

 

■デカール乾燥の合間に…

デカールを乾燥させている合間に、脚や排気管といったパーツの製作を進めておきます。

1/32スケールでエンジンも搭載されているキットなので、エンジンの排気管は12気筒それぞれに分割再現されているのですが、パーツをみたら表面に目立つヒケがガッツリ入っているので、ここはパテで修正します。

▲12本ある排気管全てにヒケが生じているので、パテでの修正が必要

▲排気管のシュラウドはエッチングパーツで再現されている

 

■デカール完全乾燥に時間を取る

苦労したデカール貼りも何とか完了。ようやく完成が見えてきたマッキMC.202フォルゴーレ。先を急ぎたいところではあるのですが、ここでも焦りは禁物です。

作業行程としては、デカールの上からクリアーのオーバーコート塗装、セミグロスクリアーによる機体のツヤの調整(今回は半光沢仕上げとする予定)、細部パーツ取り付けとなるのですが、オーバーコ―ト塗装でのトラブルを避けるためにデカールの乾燥時間(最低でも3日)をしっかりと取ることにしました。

▲デカールの印刷面は、どうやらクリアー層で保護されていないようで、たまたまラッカー薄め液の雫が付着した際に、簡単にインクが溶けて流れてしまった。機体全体へのラッカー系クリアーを使ってのオーバーコート塗装もデカールを溶かす可能性があるやもしれないので、乾燥後にパッチテストをおこなう必要がありそうだ

 

■次回、マッキMC.202フォルゴーレ完成!

いやしかし、まだキャノピーは手つかずだし、スモークリング迷彩の細かい修正もしなくちゃいけません、あっ、アンテナ線も貼らなきゃいけません…。やることは山積みです。でもプラモはオデコにバッテン出して作るモンではなく、楽しんで作ってナンボですよね。なので頑張ります。

次回完成!…できるんだろうかと不安を残しつつ、MC.202フォルゴーレの製作、乞うご期待です!

>> [連載]達人のプラモ術

<製作・写真・文/長谷川迷人>

 

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