2.「バイタル」アプリが謎のデータを読み解くカギに
watchOS 11では、測定した健康関連の指標を、俯瞰して判断できるようになる「バイタル」アプリが追加されます。
このアプリでは、心拍数や皮膚温などのデータを、そのユーザーの標準的な範囲のデータと比較できることがポイント。範囲を算出するアルゴリズムには、ユーザーの過去データやApple Heart and Movement Studyのデータを活用されるとのこと。
もし標準範囲から外れた測定値があった場合には、過去1週間と比較した詳細情報とともに強調表示されます。また、2つ以上の測定値が範囲外になると通知され、飲酒量や、高度の変化、病気など、関連している要因を判断しやすくなります。
3.「周期記録」アプリで妊娠期間を表示できるように
女性の周期的な体調変化を記録できる「周期記録」アプリでは、新たに妊娠期間の表示ができるようになりました。
なお、同機能については、ユーザーがiPhoneまたはiPadヘルスケアアプリで妊娠を記録すると、Apple Watchの周期記録アプリに妊娠期間が表示されると説明されています。
Apple Watchからは妊娠してからの週と日数を確認できるほか、妊娠中によくある症状を記録できるようになるようです。
4.「スマートスタック」がちょっと強化される
ウィジェットを表示する「スマートスタック」機能のアップデートもあります。
ひとつは、「Shazam」「写真」「距離」など、新しいウィジェットが使えるようになること。なお、「ライブアクティビティ」の表示にも対応します。
もうひとつは、時刻、日付、場所、日課などにもとづいてウィジェットが提案されるシーンが増えることです。例えば、雷雨が来そうなタイミングで気象警報のウィジェットが表示されたり、海外旅行に行った際に、翻訳ウィジェットが表示されたりするといった具体です。
ちなみに、この「翻訳」アプリがApple Watchで使えるようになることもトピックです。
5. 写真文字盤の設定がっとラクに
watchOS 11では、「写真」文字盤が最適なパターンをレコメンドするようになります。機械学習処理によってベストショットをキュレーションしたうえで、最適な構図に配置し、時間やフォントなども提案してくれるとのこと。
つまりユーザーは、時刻のサイズやレイアウト、フォントなどを選択することで、手早く「写真」文字盤をパーソナライズできるわけです。また手首を上げるたびに表示される画像が変わる「ダイナミックモード」にも対応するので、文字盤のバリエーションにも飽きずに楽しんで使いやすくなるでしょう。
* * *
筆者としては、トレーニングの負荷を可視化できたり、アクティビティのゴール達成で無理をせずに済むようになるのは、特に嬉しいアップデートだと感じます。頑張りすぎて怪我に繋がるという初心者に多い失敗が減るのではと期待できますね。
なお、本稿で取り上げたほか、ディベロッパー向けには「Double Tap API」が提供され、開発したアプリ内におけるダブルタップアクションを定義できるようになることも見逃せないポイント。秋からはダブルタップ機能に対応した世代のモデルで使いやすいアプリも増えてくるかもしれません。こちらについても注目しておきましょう。
<文/井上 晃>
井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。X
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