達人流!エアブラシのトラブルレスキューQ&A【達人のプラモ術<エアブラシ編>】

【Q2】空気は出るけど塗料が出ない!

さて塗装という時に、エアブラシから空気は出るんだけれど塗料がでない! カップにはちゃんと塗料も入っているのに…。こんな経験ありませんか?

<A:エアブラシ内部のパーツの緩みをチェック!>

空気は出るのに塗料が出ないといったトラブルでは、原因がいくつかあります。前回解説したように、エアブラシは大変細いノズルから塗料を吹くため、模型用塗料の大半は希釈が必要です。濃いままの塗料を使用してしまうと(顔料粒子の粗い金属色含む)、塗料が出ない場合があります。

しかし、塗料も希釈しているのに吹き付け出ない…。その原因の大半はパーツの緩みです。

①ノズルキャップの閉め忘れ

ノズルキャップが緩んでいると塗料は出ません。この場合、カップ内に空気が逆流するのですぐに分かります。

②ニードルチャックネジの閉め忘れ

この状態ではボタンを押しても(あるいはトリガーを引いても)、ニードルが後退しないので塗料は出ません。

③塗料ノズルの閉め忘れ

全分解メンテナス等をした後にありがちなのが、塗料ノズルの閉め忘れです。ノズルを本体に取り付ける際の締め込みが足らず、正しい位置に取り付けられていないと、エア漏れを起こして塗料が出なくなります。ただし塗料ノズルは非常に精密なパーツなので、ねじ込む際には専用のノズルレンチを使う等、細心の注意が必要です。

④ゴミ(塗料の欠片など)の混入

またごく稀にですが、カップに入れた塗料にゴミや固まった塗料の欠片などが混入して、それが詰まって塗料が出ないということもあります。この場合は、先に紹介しているエアブラシクリーナーやエアブラシメンテキットを使っての分解掃除が必要となります。

▲Mrホビーの「エアブラシ プロコンBOY WAアクション」に付属している内部図解。各パーツの位置関係が良くわかる

▲①がニードルチャック。②はニードルスプリングケース。この部分も閉め忘れや緩みやすい部分でもあるので定期的にチェックが必要だ

▲ノズルキャップは、カップ内洗浄の際に空気を逆流させるため緩めることがあるので、閉め忘れが多いので気を付けたい

▲塗料ノズルは、そう頻繁に取り外すことはないが、大規模メンテナンスで取り外して、取り付ける際に締め付けが甘いと緩むことがある

▲ただし締めすぎるとネジ山をねじ切ってしまうことがあるので、取り扱いは慎重に行いたい

 

【Q3】エアが出たまま押しボタン(トリガー)が戻らない!

どちらかといえば、ダブルアクションタイプで起きやすいトラブルです。

吹き付けの際、押しボタンから指を離したのに、ボタンが戻らずエアが出たままになる、あるいは戻るけれど戻りが渋い、といった症状です。トリガータイプでは、同じように引いたトリガーが戻らず空気が出たままになるといった症状です。

指で引っ張れば元に戻るのですが、これでは使いにくいので何とかしたですよね。

<A:押しボタンのシャフトを洗浄すれば解決!>

戻りが渋くなる原因は、押しボタンのシャフトが貫通しているピントンパッキンに塗料が入り込み、固まってしまうためです。

症状が出たら分解して、押しボタンのシャフトをクリーナーで洗浄。汚れがひどい場合は、綿棒を使いピストンリング側も洗浄します。

最後に押しボタンのシャフトにグりス(メンテナンスキットに付属)を塗布してやれば、スムーズ動くようになります。

▲Mr.ホビーの「エアブラシ プロコンBOY トリガータイプダブルアクション」に付属している取扱説明書

▲ダブルアクションでは押しボタンのシャフトに塗料が回ることで動きが渋くなってしまう

▲取り外した押しボタン。矢印のシャフトに塗料が付着することで動きが悪くなる

▲矢印が指している穴の部分が押しボタンのシャフトが収まるピストンリング部分。ここに塗料が固着してしまうと、やはり押しボタンの動きが悪くなってしまう

▲トリガータイプでは矢印のスライドカムが塗料で汚れると動きが渋なりトリガーも戻りが悪くなる

 

【次ページ】なんだ!? いきなり水を吹いた!

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