複葉機を最新キットで製作!目標は「張り線をビシッとキメる!」【達人のプラモ術<ブリストル・ブルドッグMkⅡ>】

■まずはコクピットの製作

早速、組み立てを進めていきましょう…と、その前に。海外メーカーのキットにありがちな離型剤がかなり気になるので、ランナーの状態で家庭用洗剤(マジックリン等)を使って水洗いしておきましょう。離型剤が残っていると塗装の際に塗料がはじかれてしまうなどトラブルの原因になります。洗浄後は水気を良く拭き取り自然乾燥させておきます。

▲家庭用洗剤でパーツを水洗浄して、塗装トラブルの原因になる離型剤を落としておく

▲洗浄後乾燥中のパーツ。小パーツの紛失に注意

 

■悩ましきはハンブロールカラーによる塗装指示

イギリス機に多い鋼管フレームで囲われた特徴的なコクピットは、1/48スケールとしては、これで充分といった感じで細部まで再現されています。パーツの合いも良く、サクサクと組み立てを進められます。とはいうものの、悩ましいのがパーツの塗装指示です。

パーツごとに「ここは何色に塗りなさい」と指示されているのはありがたいのですが、色指定はすべてハンブロールカラーとなっています。同カラーは英国製のエナメル塗料で、国内でも販売されています。50代以上のモデラーなら知っている人も多いでしょう。

1970年代~80年代初頭まではかなり使用頻度が高かった塗料で、筆塗りに特化しており発色も悪くないのですが、エナメル塗料ということもあり、乾燥が遅い、ラッカー塗料の重ね塗りができない、といった欠点が…。国内メーカーの模型用塗料の進歩に伴い、徐々に使うモデラーを減らした塗料です。

達人的には、一度蓋を開けてしまうと、ちゃんと密閉できなくなり、気が付くと固まっている金属容器に泣かされた記憶があります。

同じ英国製品ということもあるのでしょう。先にも書いたように塗装指示はすべてハンブロールカラーなので、これをMr.カラーやタミヤカラーに置き換える必要があります。

ありがたいことにネットを検索するとハンブロールカラーと国内模型用塗料の互換表が数多く公開されているので、それらを参考に今回の作例は基本Mr.カラーで塗装していきます。

▲ハンブロールカラーのカラーサンプル

▲Mr.ホビーによるハンブロールカラーとMr.カラーの互角表

 

■コクピットを組む

コクピットパーツは小さいので、ランナーから切り離す際に折損しないように注意してください。また切り離した部分はアンダーゲートになっているので、研磨しておく必要があります。

またキットにはシートベルトが付属していません。今回はファインモールドが発売しているナノアビエーションシリーズの「1/48 イギリス機用」を加工して追加してあります。

基本塗装は指定色で塗装していますが、最後にブラックでスミ入れをすることで、全体のトーンを暗めに仕上げています(完成後はほとんど見えませんが、モデラーの性です)。

▲胴体とコクピットパーツ。小さいので紛失に注意

▲コクピットパーツは全て下地を黒サフで塗装した後、指定色(Mr.カラー)で塗装している

▲塗装後のコクピットパーツ

▲計器盤のメーターはデカールで再現

▲シートベルはファインモールドのナノアビエーション「イギリス航空機用シートベルト」を加工して追加した

▲塗装後、組み上げたフレームで囲まれた特徴的なコクピット

▲コクピットは細部までよく再現されているが、完成後はほとんど見えなくなってしまう

▲一般的な塗料瓶と比べるとコクピットの小ささが分かる

▲胴体内部にコクピットを収めた状態

▲胴体を貼り合わせたのち、接着剤が乾くまでマスキングテープでしっかり固定しておく

*  *  *

というわけで今回はここまで。次回も主翼製作など、基本工作が続きます。そして複葉機の鬼門でもある張り線についても解説していきます!乞うご期待!

▲キットのインストによる張り線の指示。赤ラインを全部張らなくちゃいけません。大変ですが嫌複葉機の醍醐味です!

>> [連載]達人のプラモ術

<製作・写真・文/長谷川迷人>

 

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