【達人のプラモ術】
ドイツレベル
「1/108 ハーバータグボート」
06/06
季節は11月になりました、ホビーの秋です! 最終回となる今回は、タグボートのマストに張り線を取り付け、船長とデッキクルーのフィギュアを甲板上に配しました。そしてもう一味というここで、ビンテージボックスの蓋の裏に空を描いて、ハーバータグボートのスジオラマの完成です!(全6回の6回目/1回目、2回目、3回目、4回目、5回目)
長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTube「
モデルアート公式チャンネル」などでもレビューを配信中。
■雲を描く
前回でタグボート自体はほぼ完成していたのですが、何かもう工夫欲しいなぁということで、ジオラマを収めたビンテージボックスの蓋の裏側に空、そして雲…水平線に広がる入道雲を描いてみました。
今回使用したビンテージボックスは、箱の蓋裏もアンティーク調に仕上げられたウォールナット調の暗い色で塗られており、それはそれで雰囲気があるのですが、船と海の情景なのだから背景明るいイメージにしたい。そう思い、裏側を明るいスカイブルーで塗装。そこにエアブラシで雲…積乱雲を描いてみました。
いや雲は簡単に描けると思っていたのですが、いざやってみると入道雲(積乱雲)のもくもくと湧き上がるような立体感を描くのはなかなか難しかったです。描き上げてみて、子供時代に通っていた銭湯の壁に描かれていた富士山を懐かしくも思い出しました。
富士山の壁画はさておき、蓋の裏側を空色で仕上げたことで、全体のイメージが明るくなり、また蓋を開けた時の宝箱的な面白さが強調されたと思います。
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▲ビンテージボックスの蓋側は、どのままだとウォールナット調の暗い色(ニス塗り)となっている
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▲ビンテージボックスの蓋をいったん取り外して空を描く。下地にホワイトサフを塗装した後、空の青は缶スプレーで、入道雲は水性アクリル塗料を使いエアブラシを使って描いている
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▲雲を立体的に見せるためにライトブルーとライトグレーで陰影をつけている。作画時間約30分
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▲空と入道雲を描いた蓋を取り付けてみる。背景が明るくなったので全体の印象が楽しいジオラマになった
【次ページ】張り線を付けてリアルさをアップしてみたが、思わぬ誤算が…▶
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