【ビジネスファッション裏技事典】
スーツだけでなく、ジャケパン、セットアップとビジネスファッションがどんどん多様化する昨今。それ故、「何をどんな風に着こなせばいいのかわからない(汗)」というおしゃれ迷子が増えている模様。そこで、さまざまなファッションメディアで活動するエディターが、その悩みを解決するビジネスファッションの裏技を伝授します。
エディター/押条良太
大学卒業後、「MEN'S CLUB」編集部を経て独立。以後、ファッションエディターとして「LEON」や「OCEANS」、「日経ビジネス」などさまざまな媒体で活動。趣味はサーフィンとランニング。
Q. 「ちゃんとした良いスーツを着ているのに、全体的にまとまりがなく見えてしまいます。どうしたら良いでしょうか?」B.Y.さん(38歳)
A. 靴とベルトの色を揃えるだけ! 着こなし全体に統一感が生まれ、カッコよく見えます!
スーツ以上にこだわるべき箇所は靴とベルトの色合わせ。次に、気を付けるべきポイントを解説していきましょう。
■スーツが“絵画”なら靴とベルトは“額縁”であると心得るべし
靴とベルトの色を揃えるのは、スーツの着こなしにおいて基本ルール。ちょっとしたことのように思えますが、効果は高く、着こなしに統一感が生まれます。というのも、スーツを“絵画”に例えるなら、靴とベルトなどの革小物は、“額縁”のようなものだから。それほど高価なスーツでなくとも、ちゃんとした靴とベルトを選べばそれなりに見えるもの。色が統一された額縁のほうが、絵画全体が良く見えるのは言うまでもありません。
■靴とベルトは色のトーンまでできるだけ合わせたい
基本的には、黒の靴には黒のベルトを、ブラウンの靴にはブラウンのベルトを合わせるのが正解。ただ、黒はともかく、さまざまなトーン(明るさや鮮やかさ)のあるブラウンの色合わせは少々難しいかもしれません。トーンが揃えられない場合は、靴よりベルトのほうが濃いブラウンのものを選べば自然に見えるはず。また、スエード靴の場合は、もちろんベルトもスエード素材を選ぶのがベターですが、実際はなかなか難しい。そんなときでも色とトーンが大体合っていれば、それほど不自然には見えないものです。
■靴とベルトの色合わせはビジネスカジュアルでも効果アリ
靴とベルトの色を揃えるテクニックは、ビジネスカジュアルにも有効です。スニーカーを履く場合でも、ベルトと色を揃えると全体に統一感が生まれ、すっきりして見えます。素材や色のトーンまで合わせるのは難しいですが、それぞれのベースの色を揃えるだけでも、見え方が変わるのです。ちなみに、筆者はネイビーのブレザーにニューバランスをよく合わせるんですが、その際はネイビーのコットンキャンバスのベルトを合わせています。ネイビーの革ベルトはなかなかないですし、コットンキャンバスのほうが見た目も軽快で、スニーカーとの相性がいいんですよね。
おしゃれの上級者の中には、靴を買う際に自分のベルトを持って行き、色の相性をチェックしたり、靴とまったく同じ色のベルトを購入したりする人も。ただ、そこまでするのはハードルが高いので、黒とちょっと濃い目のブラウンのベルトを揃えて、その日履く靴に合わせて使い分けるだけでOK。数ある着こなしルールの中でも、靴とベルトの色合わせはとりわけ簡単で効果の高い“知っ得”なものなんです。
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