内装もキレイに仕上げるのがカーモデラーの心意気!(ほぼ見えなくなるけど)【達人のプラモ術<ポルシェ911 GT3 RS(992)>】

■インテリアの完成

組み上げたコクピットフロア、シートとダッシュボード、センターコンソールやドア内側パネルを組み合わせてインテリアを組み上げていきます。コクピット自体は、カーモデルではよく見られる各パーツを箱型に組んでいく構成ですが、各パーツの嵌合性も良く、ダッシュボードもピタリと角度と位置が決まるのがタミヤスタンダードといったところです。

ちなみにGT3 RSは、8個のスピーカーが標準装備されていて、キットはデカールで再現されていますが、オプションの“BOSEサラウンド サウンドシステム”だと12個のスピーカーとなり、100Wのサブウーファーも組み合わされて合計570Wの出力で音楽を楽しめるそうです。

▲フロアにシートを取り付けた状態。ナビシートの足元に装備されている消火器がワンポイント

▲シートを取り付けた後、ダッシュボードとドア内側パネルを取り付ければインテリアの完成だ

 

■コクピットフロアの完成

コクピットフロアが完成しました。本キットはパーツ分割が巧みで、組み立てやすさを優先しながらGT3の特徴的なインテリアを上手く再現しており、カーモデルビギナーでもストレスなく組み上げることができるでしょう。

コクピットフロアのディテールは、ボディに収めてしまうと半ば見えなくなってしまうのが辛いところですが、キットはクリアパーツの透明度が高く歪みもないので、完成後に内部が良く見えるし、インテリアはカーモデルの見せ場のひとつでもあるので、しっかと仕上げたいところです。

完成したコクピットフロアを前回組み上げたアンダーパネルに取り付けて、GT3内装の完成です。

▲完成したインテリア。アクセルペダルやブレーキペダルはデカールでディテールが再現されているが、フロアを組み上げてしまうとほぼ見なくなってしまう(カーモデルあるある)

▲前後足回りを組んで完成させたアンダーパネルにコクピットフロア取り付ける

▲GT3内装の完成

 

■カーボン素材を再現したデカールを貼る

GT3 RSは軽量化のためにボンネットとルーフ、リアウイングに炭素繊維強化プラスチック (CFRP)素材が使われており、キットはデカールで再現されています。タミヤフェアで展示されていた実車のCFRPはかなりパターンが細かい感じでした。

あくまでも個人的な見解ですが、キット付属のデカールは、ややパターンが粗く感じたので、作例にはタミヤが発売しているカーボンスライドマーク(平織り・極細)を使用しました。どちらが良い悪いではなくカーボンの質感再現は好みになると思います。

タミヤ製カーボンスライドマーク(平織り・極細)はキットのボンネットとルーフのデカールにトレースしてカットしたものを使用しています。

▲GT3 RS実車ボンネットのCFRPはかなり目が細かいものが使われているのが分かる

▲タミヤフェアの会場で展示されていた完成モデルを見ると、CFRPの質感をより再現したデカールとなっているのが分かる

▲キット付属のデカールと別売されているカーボンスライドマーク(平織り・極細)の比較。目の細かさの違いが分かる

▲タミヤ「カーボンスライドマーク(平織り・極細)」(660円)カーボンの質感を表現できる汎用性の高いスライドマーク(カルトグラフ製)。パターンがチェッカーフラッグのような格子柄に見える平織りを再現しており、塗料の厚みにより黒とグレイの色調が立体的に見える。台紙サイズは130×190mm

▲キットのデカールをトレースして同サイズにカットしたカーボンスライドマーク

▲ルーフは面積が大きいのでゴミや気泡が入らないように注意。台紙をスライドさせて引き抜くようにスライドマークをボディ側に移すことで、気泡が入りにくくなる

▲ルーフは曲面なので、しわができやすい。貼り込んだカーボンスライドマークを内側から外側に伸ばすように綿棒など使って慎重に馴染ませていく。スライドマーク自体に柔軟性があるのでマークフィッターなどの柔軟剤を使用しなくても密着させられる

▲ボンネットに使用したカーボンスライドマークはやや大き目にカットしていたので、はみ出た部分はデカールがある程度乾いて、まだ柔軟性がある状態でデザインナイフでカットして仕上げる

▲ポルシェのエンブレムを忘れずにカーボンスライドマーク上に貼る

 

■デカールの乾燥には時間が必要

さてポルシェ911 GT3 RSの特徴でもあるカーボンスライドマークCFRPも貼り終えました。いやー良い感じです。

作業的にはこのあと、クリアーでオーバーコート塗装となるのですが、ルーフとボンネットに貼ったカーボンスライドマークは大判ということもあり、水分が完全に抜けるまでに最低でも2日程度は必要です。水分を残したままのクリアーコートはトラブルの原因になるので、ここは焦らずしっかりと乾燥させる必要があります。模型用の乾燥ブース使えば乾燥時間の短縮が可能です。

さて今回はここまで、次回はクリアー塗装と砥ぎ出し、ボディの外装パーツ等を取り付けていきます。お楽しみに!

>> [連載]達人のプラモ術

<製作・写真・文/長谷川迷人>

 

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