■難易度高しのバックミラーとリアウイングの製作
ボディが完成! 残すところは、サイドミラーとリアウイングの製作を残すのみとなりました。
サイドミラーは3パーツで構成されており(鏡面のインレットシールを含めると4パーツ)、複雑な形状を再現しています。で、ミラー本体の上半分はカーボン地となっているのでデカールで再現するのですが、1cmそこそこのサイズのミラー本体に4枚のデカールを隙間ができないように貼る必要があります。ムムムこれは厳しい!
マークフィッター(ストロング)で貼ったデカールを軟化させ、ドライヤーの温風でミラーの形状にデカールを馴染ませ、乾燥後にクリアー塗装で仕上げましたが、なかなかに大変です。ちなみにサイドミラーのカーボンデカールは、ルーフとボンネットに使用した別売の極細パターンではなくキット付属のデカールを使いました。
同様にリアウイングもウイングの半分(パーツB28)の両面にカーボン柄のデカールを貼る必要があります。表面にウイングステーを固定するピンが突出しているので、シワが入らぬよう馴染ませるのに苦労します。こちらもマークフィッター(ストロング)とドライヤーの温風で馴染ませています。
ウイングのステーはGTマシンでよく見るスワンネック型で、実車は速度に応じてウイングの角度が変わります。構造的にあまり強度はないので、完成後も取り扱いには注意が必要です。完成後のウイングは、ボディにステーをパチンとハメ込めと指示されていますが、ステーが外れてしまうんじゃないかとドキドキもんでした。
完成したサイドミラーとリアウイングをボディに取り付けて、これにてポルシェ911 GT3 RSの完成です。
※DRS(ドラッグリダクションシステム) リアウイングとフロントディフューザーの位置さえもドライビングコンディションに合わせて瞬時に、かつ自動的に調整します。
■完成!…その前に前回発生したトラブルとは?
前回、ボディーのクリアー塗装にウレタンクリアーを使用して「いい光沢出たぜ」とニンマリ。クリアーの乾燥にも充分時間をかけたのち、塗装面の砥ぎ出しをすべく、ボディを部分的にマスキングしました(ボンネットのカーボンデカールを貼った部分)。
ウレタンクリアーの乾燥後の塗膜は硬いので、ボンネットのカーボンデカールを貼った部分にもマスキングテープを貼っても大丈夫。デカールが剥がれることはないという思い込みがありました。これがいけませんでした。研ぎ出し後にマスキングテープを剥がしたらデカールがクリアーの塗膜もろとも剥がれてしまいました。
ウレタンクリアーの塗膜は強いとはいえ、ボンネットとルーフはデカールの糊の力だけでボディに定着しているため、クリアー層が強くとも当然ながらクリアーの塗膜はデカールの上に乗っているだけです。なので、マスキングテープをはがす力に抗しきれず、持っていかれてしまったワケです。一気にマスキングテープをビッと引きは剥がしたのも悪かったと思います。
結果としてボディはご覧の通りの有様となってしまいました。硬化したウレタンクリアーは溶剤では溶かせないのでリカバリーも厳しく、また時間も限られていたので新たにボディを用意して、クリアー塗装の状態まで新たに仕上げたというワケです。
いやお恥ずかしい限りで、ウレタンクリアーは硬く剥がれないとという思い込みが招いたトラブルでした。
■めげずに完成した「ポルシェ911 GT3 RS(992)」ギャラリー
■2025年も「達人のプラモ術」をよろしくお願い致します
「ポルシェ911 GT3 RS」で2024年のモデリングは終了。2024年末から2025年の春にかけては話題のニューアイテムも次々と発表されており、プラモデルはオールジャンルで多いに盛り上がりを見せています。いやー新製品から目が離せません!
2025年第1弾は何作りましょう? 乞うご期待です!
皆様、良い新年をお迎えください。
>> [連載]達人のプラモ術
<製作・写真・文/長谷川迷人>
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