■インテリアから製作開始
さて、さっそく製作を開始しましょう。インストの指示に沿ってキャビン内部のインテリアから組み上げていきます。細部の塗装に関しては細かく指示されているので助かります。
ただ使用指定されている塗料が、個人的に馴染みのないミッションモデルスカラー(※注)なのが辛いところ。なので塗装に関しては色名からMr.カラーの同色に置き換えることにしました。
パーツの精度は高く組み立てはサクサクと進められるのですが、それにしてもパーツが細かい。個人的な意見ではありますが、最近の海外製AFVキットは、ディテールの再現がすさまじく、結果としてパーツの分割が偏執的なまでに細かい気がします。再現度が高いのはありがたいけれど、老眼が日々進行しているオッサンモデラーにはなかなか厳しいものがあります。製作に際しては、精度の高いピンセットと通常接着剤、流し込みタイプの接着剤、さらに瞬間接着剤を用意しておくことをオススメします。
(※注)ミッションモデルズペイント(MMP)
アメリカ製の水性アクリル系の塗料。ミリタリー系のカラーが充実している。1色900円前後と高価だが、定着力が強く艶消しの質感などモデラーの評価は高い。エアブラシでも使用できる。国内ではMSモデルスやボークスなどで取り扱っている
■組んでから塗装をする
先にも書きましたが、キャビン内部のインテリアの再現度は高く、弾薬箱などは6パーツ構成となっているなど、かなり細かくなっています。塗装も細かく指示はされていますが、キャビン内部は基本“ネイビーグレー”となっているので、工程1~2まではパーツを組み上げてから同色で塗装。細部は筆を使い塗り分けていくことで、効率よく製作を進めていくことができます。
キャビン内部は資料写真などが存在しておらず、細部の塗装は同じ任務で使われていたPBR(河川哨戒艇)を参考にするとよいでしょう。

▲塗装とマーキングはインストに細かく指示されている。塗装はミッションモデルスカラーが指定されている

▲パーツが多いので、作業効率アップのためにマスキングテープを使いランナーにパーツ番号を記しておく

▲輸入キットということもあるが、パーツは離型剤まみれなので、事前に専用クリーナーや中性洗剤などで洗浄することをオススメする

▲ファインモールド「ご機嫌クリーナー[プラスチック/レジン樹脂模型用合成洗剤]」(1320円)

▲細かいパーツの組み立てには精度の高いピンセットを使いたい

▲4個の弾薬ケースは6点のパーツで一箱を組み上げていく

▲完成後はシートの下に収めてしまうのであまり見えなくなるのが辛いところ

▲キャビン内のキャンバス貼りのシートもリアルに再現されている

▲工程1から工程3まで組み立て完了。ここまでの所要時間は2時間程度。この後塗装をおこなう
■次回はキャビン内部の製作と塗装
今回はここまで。パーツが細かく製作には時間もかかりますが、焦りは禁物。ここはキットのディテールを上手く引き出しつつマイペースで進めていきましょう。うーん組んでいくとわかるのですが、やっぱりフィギュアが欲しくなりますね。というワケで現在、PACVに合うフィギュアも物色中であります。
それではまた次回をお楽しみに!
>> [連載]達人のプラモ術
<製作・写真・文/長谷川迷人>
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