iDやQUICPayなどの後払い型電子マネーとクレジットカードのタッチ決済、どっちがお得?

三井住友カードによる決済の通常のポイント還元率は0.5%です。

しかし、スマートフォンに登録した対象カードを使って、対象のコンビニや飲食店でVisaのタッチ決済を利用した場合には、+6.5%の還元率が上乗せされ、計7%のポイント還元を受けられます。

▲三井住友カードのタッチ決済での7%還元について記載されたWebページ(https://www.smbc-card.com/mem/cardinfo/cardinfo9001629.jsp)

この場合「iD」での後払い式の電子マネー決済を使った場合には、「Visaタッチ」に関連するポイントは受けられないので、クレジットカードの通常の決済還元率である0.5%しか還元されません。

物理クレジットカードを使った決済では0.5%還元、iDを使った非接触決済でも0.5%還元です。一方、Visaタッチの決済では7%還元のように差がでます。

つまり、コンビニや対象の飲食店での決済に関しては、Visaタッチを利用した方がお得になります。仮に1万円分の買い物をしたとすると、Visaタッチならば700円分のポイントがもらえるのに対し、iDならば50円分のポイントしかもらえないので、650円の差が出ます。

スマホに登録した同じカードをピッと決済端末にかざす方法は同じですので、店頭で「クレジットカードのタッチ決済で」と伝えるか「iDで」と伝えるかで、この差が出てしまうのは意外と大きいでしょう。

 

■後払い電子マネーで還元が増えるケースもある

では、クレジットカードのタッチ決済の方がお得なのかというと、そう単純でもありません。クレジットカードによっては、後払い式の電子マネーの方がお得になることもあるからです。

例えば、「セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード Digital」ではQUICPay優遇という仕組みがあり、通常のポイント還元率が0.5%であるのに対し、QUICPayを利用した決済では4倍の2%まで上がります。こちらの場合には、QUICPayを活用した方がお得というわけです。

▲「セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード Digital」のQUICPay優遇について記載されたWebページ(https://www.saisoncard.co.jp/amextop/pearl-pro/)

要するに、結局はブランドごとのポイント還元の仕組みを調べなくてはなりません。

*  *  *

以上のように、iDやQUICPayでの後払い決済を使う場合、基本的なポイント還元額は、紐づいているクレジットカードと共通しています。多くのクレジットカードでは、どちらを使っても、たいした差はないかもしれません。

しかし、使用しているクレジットカードのブランドによっては、クレジットカードのタッチ決済や、後払い式の電子マネーでの決済を優遇するように、ポイント還元額が増額される施策が用意されていることがあるので、これを見逃すと勿体無いということです。

また、既存の手持ちのカードだけでなく、新たにクレジットカードを作成するにもこうした非接触決済の還元額のポイントなどを考慮に入れておくと、よりお得な運用に繋がるかもしれません。

なお、本稿では、各ブランドの還元施策の詳細については割愛しています。細かい適用条件などを確認するには、公式サイトでのチェックをお忘れなく。

>> [連載]キャッシュレス決済の現在地

<文/井上 晃

井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。X

 

 

 

【関連記事】

◆今さら聞けない「Apple Pay」や「Google Pay」の仕組みと使い方
◆使いやすいスマホ決済ってどれ? 対応するチャージ方法を比べてみると…
◆「d払い」「au PAY」もかなり使える。主要スマホ決済が使える場所を改めて整理

 

トップページヘ

この記事のタイトルとURLをコピーする