エンジンと銃座を製作後、収まるようにフィギュアを改造【達人のプラモ術<米海軍PACV後期型>】

■銃座の製作

キャビン上に設けられた2連装の銃座を製作します。PACVには、戦闘機などにも搭載されていた12.7mmブローニングM2重機関銃を2連装で装備した回転銃座が搭載されています。キットは弾薬箱を含めてよく再現されていて、組んでみるとできが良いので、ガンナーのフィギュアが欲しくなります。

銃座に合わせてキャビン内部にガンナーの足場を組むのですが、これが難物で、細いステーを組み合わせつつキャビン床と天井の取り付け位置に合わせるという難易度の高い工作が要求されます。

全てパーツが点着けということもあり、とても組みにくく、また接着強度が出せずに苦労させられました。

実物がこうなっているのだから再現しました、というパーツ構成は分かるのですが、模型としての組みやすさとか強度といったものは一切考慮されていないのが辛いです。ある意味これも最近の海外製キットあるあるなんですけどね。

▲インストの工程19で製作するガンナーの足場だが、パーツがほとんど点着けで、接着の角度指定がなく、キャビン床の取り付け位置に合わつつ天井側とも位置合わせが必要、と組み立ての難易度が異様に高い。まずプラ用接着剤でステーを組んでおき、ある程度固まった時点でステーのキャビン床と天井への取り付け位置を調整して、瞬間接着剤で固定する

▲組み上げた旋回銃座。2連装のM2機銃は上下に稼働させられる。

▲足元に弾薬箱も再現されているが、作例ではガンナーのフィギュアを乗せる関係で取り付けていない

 

■エンジンの製作

インストでは、旋回銃座の足場を組んだ時点でキャビントップを接着固定となっいるのですが、作例ではフィギュアを乗せるため、この時点ではキャビントップを接着していません。この状態でキャビン上にかかるエンジンやレーダマストを製作していきます。

PACVはゼネラルエレクトリックの7LM100-PJ102ガスタービンエンジンを搭載しており、最大1100hpの出力。プロペラ推進ですが最大60ノット(約110km/h)を出せて、航続性能は1150リットルの燃料タンク満タンで約300kmだったそうです。

性能は文句なしですが、整備性は最悪だったそうで、それがベトナム戦争でのPACVの大きな弱点になってしまいました。

キットでは、ガスタービンエンジン自体はパーツ化されていませんが、特徴的なフェアリングと搭載された船舶用レーダーが再現されています。推進用のプロペラはピッチ角が決めにくいので要注意です。

エンジンフェアリングは内部に何もないので、モーターを仕込めばプロペラの回転ギミックも難しくなさそうです。

▲キャビントップからホバー用インテークにかぶさるように取り付けるエンジンフェアリング。細かく打たれたリベットなどディテールは良い感じだ

▲エンジンフェアリングも艇体と同様に黒下地→オリーブグリーンで塗装

▲キャビントップに取り付けたエンジンフェアリング。大きく上に張り出しているのがレーダーアンテナ。最長39km離れた距離からターゲットを検出でき、PACVの得意とする夜間戦闘で大きな威力を発揮した

▲エンジントレーダーを取り付けたキャビントップを艇体に取り付ける。キャビン内部にフィギュアを乗せるので、この時点では接着していない

▲エンジンと旋回銃座を取り付けたことで、オリーブグリーンの塗装と相まっていかにも軍用のPACVの雰囲気が出てきた

▲キャビン窓のマスキングはまだ剥がしていない

▲推進用のプロペラはインストの指定で白で塗装しているが、なんとなく違和感があるので調べてみたところ、黒で塗られたものもあるようだ。プロペラの周りにカバーがないので、危険な回転エリアを視認しやすくするための白塗装と思われる

 

【次ページ】フィギュアは収まるように改造

この記事のタイトルとURLをコピーする