スマホ同士のコミュニケーション手段として普及している「LINE」も、格安SIMでは少しだけ不便が生じることがあります。
LINEは未成年者が安全に使えるように「年齢確認」という仕組みを導入しています。この年齢確認を行うことによって、LINEの全サービスが利用できる仕組みです。キャリアのスマホでは、キャリアのサポートサイトにログインして認証することで年齢を確認できますが、格安SIMではこれができません。このため、ID(ユーザー名)でほかのユーザーを検索することができません。
LINEのID検索は、全員が使っているサービスではありません。IDを設定しなくても、友達のIDを知らなくても困ることは、まずありません。筆者の場合、飲み会で知り合った人から「IDを教えるのでLINEで繋がってください」とFacebookでメッセージをもらったことがありました。お互いの電話番号を交換していなかったので、LINEの「友だちかも?」にその人の名前が現れることはなく、メールアドレスも知らないので、友だちの招待メールも送れずという状態。しばらくは、LINEで繋がることなく、Facebookメッセンジャーで連絡を取り合っていました。
ですが、その友人と、電話番号もメールアドレスも教え合うことなく、LINEの友だちになることができました。それは「LINEモバイル」を契約したからです。9月からサービスを開始した「LINEモバイル」は、今のところ唯一、年齢確認に対応している格安SIMです。「ID検索は必要」と思う人は、LINEモバイルを選ぶといいでしょう。
「通信速度は大丈夫なの?」「格安SIMって、狭い帯域に多くのユーザーを割り当てているのでは?」そんな印象を持っている人もいるかもしれませんね。筆者は、これまでに7社の格安SIMを購入して使っていますが、通信速度に大きな不満を感じたことはありません。もちろん、夕方の繁華街など、混雑する時間帯で速度が遅くなることを感じることはあるのですが、それは大手キャリアでも起こりうること。MVNOによっては「むしろキャリアよりも速いのでは?」と感じることもあります。また「少し前までは快適だったのに……」と思うことも。通信速度や品質は、さまざまな条件に左右される「水物」です。これは、注意のしようがありませんね。
[関連記事]
キャリア&格安SIMの20GBプランで得する人、損する人の見分け方
超簡単!auのiPhone 6sをSIMロック解除して格安SIMを使ってみた
(取材・文/村元正剛)
iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。