ホットミルクで眠くなる!?スリープマスターに聞いた良い睡眠のコツ「ベスト10」

③体温と室温も上手に調節

寝具での温度調節の他に、体温や部屋の室温を管理するのも大切なポイントです。まずは夜、家に帰ってからの体温の調節の仕方を教わりました。

「人間は、お昼から夜になるにつれ、だんだんと体温が上がり、夜になると上がった体温が下がるというリズムを持っています。その体温が下がり始めるときに、人間は眠気を感じやすくなります」

このポイントに合わせてお風呂でしっかり体温を上げて、入眠時に放熱させることが眠りに入りやすくするコツなのだとか。

「夜の入浴ではしっかりと体を温めてください。リラックスには38〜40度くらいのぬるめのお湯が最適です。お風呂から上がって30分ほどで体温が下がり始めるので、そのあたりで寝る支度をしてお布団に入ります。そして温まった体は放熱するので、体温が下がっていき眠くなる……というリズムがオススメです」

さらに寝室の温度の調節についても伺いました。

「寝室はお風呂から上がったときに『寒い』と感じない程度にあたためておきましょう。ただし、お布団に入った後は暖房は必要ありません。夜通しつけっぱなしでは乾燥の原因にもなるので、入眠時につけている場合もタイマーで切れる設定をしてください」

④一番変化がわかりやすいのは「枕」

冬のあたたかな眠りのポイントに続き、お次は「枕」です。ガラッと睡眠が改善した感覚を一番得られやすいのが、実は「枕」なのだとか。枕の硬さや高低は気にする人が多いですが、「幅」も大切な要素なのだそうです。

「人は寝返りを打つので、仰向けと、左右の横向きを合わせ、枕には頭3個分の横幅が必要です。枕が小さいと、寝返りも無意識のうちに小さくなってしまいますから、できるだけゆったりしたものを選んでください」

■「合う、合わない」は首のカーブで決まる

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よく枕が合う、合わないという表現を使いますが、相性を決めるのは枕の「高さ」なのだそうです。

「寝ている時の理想の姿勢は、立っている時の自然な姿勢をパタンと横に倒した状態と言われています。壁に背中をつけて立つと、首の後ろに隙間ができますよね。寝た時にその隙間をぴったり埋めてくれるのが、ご自身に合った高さの枕です」

首の後ろのカーブというのは千差万別で、合う枕は個人個人の首のカーブの形によってまちまち。枕が高すぎると顎が引け、低いと逆に顎が上がり、肩こりの原因になることもあります。自分に合う枕に出会う一番効率的な方法は、この首のカーブを計測することなのだそうです。

「当社の場合は、ピローアドバイザーのスタッフのいるお店ですと、簡単に計測が出来ます。一度、自分に合う枕は低いのか、高いのか、中くらいなのか、測っておくといいですよ。旅先などで枕が変わっても『これはちょっと高いかな?』と、わかるようになります」

■知らなかった!「正しい枕の当て方」

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もう1つ、目からウロコの枕情報が速水さんからもたらされました。それは「枕の正しい当て方」。習う機会のないことですので、意外に間違っている人が多いのだそうです。

「枕に頭だけ乗せている方が多いんですが、これは実はNGです。首を支えるためのものなので、しっかりと枕が肩口に添う位置まで引き寄せてください。首の後ろとお布団の隙間をしっかりと埋めてください。ペタッとした枕ですと、立体的な曲線が作れないので、首に添ったアーチがある枕がおすすめですね」

肩に添うまでピタッとくっつけないと、枕が頭の部分で枕が終わってしまい、首が一晩中張りっぱなしになるのだそう。知らないうちに首が宙ぶらりんになっていませんか?

⑤「パジャマ習慣」で、睡眠時間をしっかり区分けする

家に帰ったら部屋着でくつろいで、そのまま就寝…という流れが習慣化している人は多いのではないでしょうか。速水さんは「眠る前にパジャマに着替える」のを習慣化するのが重要だと言います。

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「お部屋にいる時間と眠る時間を分けて考えていただきたいのです。『さあ寝るぞ!』とパジャマに着替えることで、寝るモードのスイッチが入ります。気持ち的な切り替えの面でも、入眠がスムーズになりますよ」

パジャマの選び方にもポイントがあります。

「スウェットのようなゴムのきついものや、締め付けるもの、極端な薄着などは良くないので、ぜひいわゆる『パジャマ』を着て寝てください。四季を通じて素材は綿がいいですね。あとはシルクもおすすめです。」

冬でも厚着しすぎると、自然な寝返りが妨げられてしまうので、あくまでも「パジャマのみ」のスタイルが速水さんのおすすめ。ゆったりと体をリラックスさせられる天然素材のパジャマと、しっかりあたたかい寝具というのが、冬の正解です。

⑥ゴールデンタイムは「10時から2時」ではなく「入眠からの2〜3時間」!

よく22時から2時までのを眠りの「シンデレラタイム」や「ゴールデンタイム」という言い方をしますが、これって本当なんでしょうか?

「実は10時から2時という時間帯よりは、最初の2〜3時間というのが大切です。寝入りの時間が7時であろうと9時であろうと、最初の2〜3時間をしっかり眠っていただければ成長ホルモンが出てくれて、代謝もしっかり回復することができます」

⬛『五感』のリラックスで、さらに眠りの達人に!

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