保温性の高いアウターなど上半身の防寒ウエアは誰もが意識するものでしょうが、意外と見落としがちなのが下半身の防寒です。下半身が冷えると、そこで冷やされた血液が全身を巡るので、想像以上に体全体を冷やします。そこで便利なのが、モンベルの「スペリオダウンパンツ」と「ダウン フットウォーマー」。
これが思った以上に効果的で、日中は上半身にはそれほど着込まなくても済みます。モコモコしたアウターがないと動きやすいので、テントの設営などもしやすい。特にフットウォーマーは、底部分にすべり止めが付いていて、それが本体自体を守ってくれるので、ちょっとテントの外にあるものを取りに出る時なども、そのまま土の上を歩くことができます。非常に便利。
そして、寝る時は着用したまま寝袋に入るのがポイント。夜間、寒さで寝られないと、翌日の活動にも支障が出ますので、冬期は重ね着したまま寝袋に入ってしまうのが有効です。
暖房器具としてあるとうれしいのが、ユニフレームの「ハンディガスヒーター ワームII」。こちらは足元を暖めてくれるヒーターですが、カセットボンベ(レギュラーガス)を使えるのがポイントです。ガスは寒冷地では使えないイメージがありますが、この製品はバーナーの熱を本体内部にフィードバックしてガスボンベを暖める “サーマルコントロール” という機構を採用しており、寒い時期でも使えます。
■大きめのテントを、内部を仕切って暖かく使う
使用したテントは、キャンパルジャパンの名品「ピルツ15」。8人用とサイズは大きめですが、ワンポール式で設営しやすいのがポイント。そして、冬期キャンプの強い味方となるのが、同製品向けのインナーテント「ピルツ15 ハーフインナー」です。こちらをテント内部に設営することで、テントの中を仕切り、寝るスペースとリビングスペースとに分けて使うことも可能に。インナーはテント本体を立ててから内部に設置するため、寒い中、必死にタープを立てなくても雪や風をしのげるリビングスペースが作れます。
また、インナーにより寝るスペースのテントが二重になりますので、保温能力が向上。さらに、狭いスペースに密集して寝ることで、暖かさがさらに向上します。二重構造となっていることで、寒い時期のキャンプで起こりがちなテント内の結露も防げます。
シュラフは、モンベルの「バロウバッグ #1」が便利。マイナス9℃までというスペックで、さらに、ストレッチ性に優れた “スーパースパイラルストレッチシステム” によって寝心地が良いのがポイント。ウエアを着込んだモコモコ状態でも全体が伸びるため、体の動きを妨げず窮屈さを感じません。出入りもラクラクです。マットにはキャンパルジャパンの「インフレータブルマット」を使用。自動膨張し、厚みが4.5cmあるので、地面からの冷えをシャットアウトしてくれます。
■冬こそダッチオーブンの出番!
体が温まる料理も冬期のキャンプには必須の要素。今回はダッチオーブンで豚汁を作ってみました。しかも、普段は使うのがはばかられるような、脂身がたっぷりの豚バラ肉を使って。でも、寒い時期は体温を保持するために体が普段よりカロリーを消費するので、カロリーオーバーを心配しなくても大丈夫!
使用したのは、ユニフレームの「ダッチオーブンスーパーディープ 10インチ」。それを同社の「ファイアグリル」の上に「FGポットハンガー」で吊るしています。焚き火にダッチオーブンという王道の組み合わせは、夏場だとちょっと暑く感じてしまうもの。でもこの季節は、逆にその熱がありがたい! 調理後もファイアグリルの焚き火で暖を取ることができます。
寒冷地でも短時間でお湯を沸かせるプリムスの「イータパワー・EF」と、ユニフレームの「コーヒーバネット cute」で淹れたコーヒーを飲みながら、焚き火を眺める至福の時間。ランプは優しい光のプリムス「2245ランタン」を使いました。
■冬期のオートキャンプには4WDのミニバンが最適
この時期のキャンプ場は、場所によって日陰に雪が残っている場合があるので、クルマで現地へ向かう場合、4WD車だと安心です。とはいえ、荷物をたくさん積みたいので、ミニバン級のボディサイズは欲しいところ。そうなると選択肢は限られますが、例えば、三菱自動車の「デリカ D:5 シャモニー」は、車高も十分確保されていますし、ディーゼルエンジンでトルクもあるので頼りになる存在。
今回の撮影時は幸いにも雪はありませんでしたが、オフロードを通る場面では念のため “電子制御4WDシステム” で「4WDオート」を選択して通過。ぬかるんでいる場合は走破力の高い「4WDロック」モードを選択できるので、雪道やさらに悪条件のオフロードを通る際も不安がありません。
もちろん、ボディサイズが大きい上に、サードシートを左右に跳ね上げられ、さらに、セカンドシートはチップアップして前方にスライドできるので、積載性も十分。奥行き1610mmのラゲッジスペースは、大きめのテントや寝袋、ダッチオーブン、ファイアグリルなどを積んでもまだまだ余裕がありました。
しっかりした装備を選んで準備すれば、上級者でなくても楽しめる冬キャンプ。混み合ったハイシーズンのキャンプ場にちょっと嫌気が差してきたという方は、今回の装備を参考に挑戦してみてはいかがでしょう?
>> モンベル
>> ユニフレーム
>> キャンパルジャパン
>> イワタニ・プリムス
>> 三菱自動車
[関連記事]
冬キャンプの必需品!薪ストーブなら「はじめてのまきちゃん」におまかせ
10秒で着火!失敗しない!キャンプやバーベキューの強い味方です
キャンプでもコーヒー!外でもハンドドリップが楽しめるグッズ3選
(取材・文/増谷茂樹 写真/松川忍 監修/牛田浩一 撮影協力/スターウインドー)
- 1
- 2