ー現状では「11ac」という通信方法で、「5GHz帯」なら最速での通信が可能、ということは分かりました。だったら、箱に「11ac」と書いてある機種を買いさえすれば、最速でつながるってことなんですね?
上原:基本的にはそういうことになりますが、一つ注意点があります。通信に使う端末が、5GHz、さらに11acに対応していなければその速度は出ません。iPhoneだと6以降なら大丈夫。アンドロイドの場合では、最近多くなっているSIMフリー端末だと5GHzに対応していないものもあります。
また一部のゲーム機や海外メーカーの廉価版PCなどでも、5GHz対応でないものがあるので注意が必要です。メールの送受信程度ならそれほど問題はありませんが、動画を見たりすると影響を感じると思います。
ーそうでしたか……。これって、アプリを入れたりして解決できないものなんですか?
上原:残念ながら無理ですね。端末が対応しているかどうかという問題なので、アプリなどでは対応できないんです。
■「推奨環境」はどうやって決まるの?
ールーターのパッケージには「推奨環境」というのも書いてあります。「戸建て:3階建て」「マンション:4LDK」「人数:6人」「回線:光回線(ギガ)、ケーブルテレビ」など。これは今までの表記と違ってヒジョーに分かりやすいんですが、これってどうやって決まってるんですか?
上原:戸建てとマンションの広さは、ルーターで使用されているICとアンテナの性能で決まります。『このぐらいのエリアだったらカバーできますよ』という目安ですね。戸建てとマンションに分かれているのは、『戸建て』と一口に言っても離れがあったりと多様だからというのもあります。マンションでも超高級億ションとかだと話は違ってきますが(笑)。
人数は、やはりICの性能の問題で、何台の機器がつなげられるかという基準(推奨接続台数)があるんです。今は1人が複数の端末を使うのも普通ですから、携帯、タブレット、PCと1人あたり3台使うと想定して、ICの推奨接続台数を3で割った数が推奨人数としています。これはあくまで『この範囲内なら快適につながりますよ』ということで、その数を超えてしまったら急につながらなくなるということではありません。