プロカメラマンの園田昭彦さんによると、
「今回のように“複数のお皿がある食べ物”を撮影するときは、まず“主役”を決めることが先決です。いちばん目立たせたいものを主役にするといいと思います。今回だと…、やっぱり“から揚げ”でしょうね」
なるほど。私は“いちばん最初に食べたいもの”で主役を選びそうですが、もし迷ったら“大きいお皿のもの”や“鮮やかな色味のもの”を主役にするといいかもしれないですね。
【コツ②】「おうぎ形」の配置に
主役を決めたところで、次は配置です。さすがに最初の状態で撮るのがベストだとは思っていませんよ。とはいえ、どう動かせばいいのか。ちょっと寄せるとかでいいのかな。ちなみに変更前の配置=最初の状態はこちらです。
「まずは主役である “から揚げ” のお皿を真ん中に置きます。次に小鉢を味噌汁のほうに寄せていきましょう。お盆の左上を中心にして “おうぎ型” になるようなイメージです。そうするとお盆の左側に何も置いていない部分ができますね。この “余白” がポイントなんです」(園田さん)
こんな感じでしょうか。カメラで余白を意識するなんて意外ですね。だいぶ右側に寄っていますが、これ、いったいどこから撮影するの?
【コツ③】「アングル」を意識し「ズーム」で撮る!
配置が決まったら、次はいよいよ撮影です。前回の【基礎編】で教わった通り、逆光で撮影しましょう。
「撮影するときは、おうぎ形の要あたりから。“余白” の部分がちょうど切れるような感じです。主役にフォーカスしたいので、アングルは低めにして奥行きを強調します。また、主役のから揚げはお皿全体が映るように、主役以外は切れちゃってもいいので、それぞれ少しだけ写るようなイメージで撮影しましょう」(園田さん)
このとき、ズームが広角側(一番広い範囲が撮れる状態)に設定されていると、手前が大きく奥が小さく写ることになります。そこで、奥と手前のお皿の大きさが肉眼で見た状態に近いバランスになるよう、ズームしていって調整するといいとのこと。
それらを踏まえて撮影した写真がこちら。
そうなのよ、こういうのが撮りたかったのよ! 最初の写真との雲泥の差です。主役と配置を決めて、アングルとズームを調節するだけで、いつもの定食がこんなにも迫力のある写真になるんですね。定食以外にもホームパーティの料理の撮影などでも応用できそうです。
次回は【ラーメン編】です。
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(取材・文/南場みなみ 写真/園田昭彦[撮影風景]・南場みなみ[スマホ撮影])
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