[数字で知る乗り物図鑑] 全席10/12型モニター付き「エアバスA320neo」

■33機/4819機

A320neoシリーズの開発計画が発表されたのは2010年12月のこと。従来型で築いた実績と信頼性に加えて、経済性や環境性能の向上により好調な受注を記録しています。

▲A320neoのコクピット

▲A320neoのコクピット

2016年11月時点で、その数は89のエアラインから合計4819機。2016年1月にデリバリーが開始されており、現在は40機あまりが世界各地で活躍中です。

日本ではANAがA320neoを7機、A321neoを26機を発注しており、12月に受領したのはその初号機です。また、日本のLCCではピーチ・アビエーションが3機を発注していますから、数年後にはneoに搭乗する機会もグッと増えそうです。

 

■15%/3600トン

A320neo最大のエポックといえば、新型エンジンの搭載や空力性能の改善による燃費性能と環境性能の向上です。

従来型のエンジンは1970年代から80年代に開発されたCFMインターナショナル製CFM56、またはインターナショナル・エアロ・エンジン製IAE V2500を搭載していました。これらに代わって採用されたのはCFMインターナショナル製LEAP-1A、プラット&ホイットニー社製のPW1100G-JMという、低燃費&高性能な最新スペックのエンジンです。

▲A320neoのエンジン。ANAはP&W社を選択

▲A320neoのエンジン。ANAはP&W社を選択

▲従来機A320のエンジン

▲従来機A320のエンジン

さらに主翼端には上に向かって伸びる「シャークレット」と呼ばれる翼が備わりますが、これは翼端で発生する渦を減少させ、空気抵抗を低減する効果があります。

▲A320neoのシャークレット

▲A320neoのシャークレット

▲従来機A320のウイングレット

▲従来機A320のウイングチップ・フェンス

これらの合わせワザにより、従来型に比べて燃料効率が最大15%改善しています。また、CO2の排出量も1機あたり最大で年間3600トンも削減できるといいますから、航空会社にとってのメリットも少なくないのです。

さてANA機はプラット&ホイットニー製エンジンを備えますが、一見しただけでneoと従来型を見分けるのは難しいかもしれません。見分け方としては、従来型のエンジンファン直径は約173cm、A320neoでは約205cmとひと回り大きくなっていること、またA320neoのエンジン正面に見えるファンブレードは曲線を描いているのが特徴です。

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