昭和40年代後半、突如出現した驚異の外来種。それが洋凧「ゲイラカイト」です。それまで当然だと思っていた和凧の四角とは異なる三角の形状。そして、小さな子どもならトラウマにでもなりそうな、黄色い目玉が描かれたデザイン。当時はすべてが斬新でした。
しかし、日本中にブームを巻き起こしたのは、デザインだけが理由ではありません。このゲイラカイト、とにかく飛んだんです。それまでの凧はなんだったのかと思うほど、圧倒的な飛行力を持っていました。
ビニールとプラスチックのフレームという軽量なボディは、ひとたび風をつかむと、比喩でもなんでもなくあっという間に雲に届くほど飛び上がりました。
昭和44年のアポロ11号月面着陸の余韻覚めやらぬ時期に、“NASAの元技術者が開発した”という触れ込みも、やはり強烈なインパクトがありました。実はこの話にはちょっとした裏があるんです。ゲイラカイトの形状は“ロガロ翼”といいます。フランシス・ロガロというアメリカの発明家が考えたモノです。彼は、NASAの前身であるアメリカ航空諮問委員会(NACA)で勤めていた時期がありました。これらが巡り巡って、“NASAの元技術者”としてキャッチコピーに使われるようになったのです。
なんにせよ、このロガロ翼を採用したゲイラカイトは、簡単に風をつかみ驚くほど高く飛ぶことで、日本中を席巻しました。
しかし近年は、正月に凧揚げする光景もあまり見掛けなくなり、ゲイラカイトの存在も「遠い昔にそんなブームがあったなぁ」程度になってしまいました。
と思っていたら、実はまだちゃんと売っていたんです!
今は株式会社あおぞらが日本に正規輸入していて、大きな目玉の「スカイスパイ」以外にも2種類が販売されています。
今年の正月休みは、ゲイラカイトのあの力強さを再体験してみるのも楽しいかもしれませんよ。
>> 株式会社あおぞら
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(文/&GP編集部)
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