【カメラ選び】デジカメは4K×コンパクトの時代へ。SONY RXシリーズ

RX100シリーズはポケットに入る小型ボディ、RX10は24-200mmをカバーする高倍率レンズが特徴だ。&GPでもレポートした高倍率レンズを搭載したキヤノンの「PowerShot G3 X」、単焦点レンズのリコー「GR Ⅱ」など、ここへきて「大型センサー×レンズ一体型」が充実してきた。この夏、注目のジャンルだ。

進化のポイントは“4Kムービー”への対応

ソニーの新モデルと前モデルの違いは、「4Kムービー」への対応につきる。
●最大29分の4k動画撮影が可能(RX100 Ⅳは最大5分
●対応の高速SDカードを用意すれば全画素読み出しできる(PCにつないで撮影しなくていい)
●最大40倍(960fps)のスーパースローモーション
●最高1/3200秒の高速シャッター
●Full HD動画撮影中、最大約17MPの高画質な静止画を記録可能

と、アップデートは主に「ムービー」への対応だ。これらは1.0型大型センサーの進化による部分が大きい。「メモリー一体 1.0型積層型CMOSイメージセンサー」に進化を遂げているのだが、つまりセンサー基盤の裏にメモリーを搭載することで、従来比約5倍以上の読み出し高速化を実現している。それに伴い、上記のようなムービー機能を進化させることができたのだ。

なお、個人的にムービー機能で興味があるのは、最大40倍のスーパースローモーションだ。あまりも高速すぎるため、決定的瞬間をもはや逃すはずはない。その上、スーパースローモーションは動物、乗り物、子どもといった動きのある被写体が面白く撮れるのではないか?と期待させられる。

もうひとつ、両機種ともにムービー撮影中にシャッターボタンを押すと、約17MPの高画質で静止画(ただし16:9のみ)を撮影できるのは大きい。主に静止画を撮影するユーザーなら、動画から後で切り出すより「ここだ」と思った瞬間にシャッターを切れるほうがストレスがないだろう。

ちなみに「オートデュアル記録」も新搭載されているが、これはカメラ任せでムービー撮影中に自動で静止画を撮影する機能だ。11パターンの構図にはまったとき、カメラが自動で判断して撮影するという。ムービー主体で使うユーザーには、こちらのほうが便利かもしれない。

4kが必要ないユーザーにとっては?

では4Kムービーが不要なユーザーや、現行モデルユーザーにとって魅力がないかといえば、そうでもない。なぜなら、現行モデルで評価が分かれていた箇所もアップデートされているからだ。

現行モデル「RX100 Ⅲ」はポップアップ式のファインダー付きで、しっかりと覗いてフレーミングできる利点があった。だが、ファインダーを仕舞うと電源も自動的にオフになる仕様は、不満の声もあった。

新モデルではファインダーに連動した電源オン・オフを選べるようになった。さらに235万ドットの高精細な有機ELファインダー+T*コーティングと進化しているのも大きい。4Kの撮影もできるが、このモデルはポケットに入るコンパクトモデルでありながら、しっかりと撮影できることがポイントなのだから正しい進化と言える。

同じく現行モデル「RX10」は24-200mmのズーム全域においてF2.8と明るいレンズを搭載しているのが魅力だが、AFのスピードにやや難があった。新モデルでは、シャッタースピードアップに加え、AFスピードがアップ。イライラすることなく、静止画の撮影ができるようになっている。こちらも有機ELファインダーは235万ドットに進化している。

“カメラにムービー”は、あくまでもオマケ的な要素が強かった。だが、コンパクトで高画質なムービーデジカメは、写真にこだわる層はもちろんだが、かなり実用度が高いカメラとも言える。明るく高精度のレンズ、大型センサー、4Kムービーとそろえば、エントリークラスの一眼レフを選ぶ理由がなくなってしまう。次回は各メーカーのモデルを使い比べて、それぞれの比較も紹介したいと思う。

(文/&GP編集部)

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